第二級陸上特殊無線技士 試験問題例題 (法規 No.2) 問8 解説 電波の質の不適合処分
総務大臣は、無線局の発射する電波の質が総務省令で定めるものに適合していないと認めるときは、その無線局に対してどのような処分を行うことができるか。次のうちから選べ。
- 1 臨時に電波の発射の停止を命ずる。 ✓ 正答
- 2 空中線の撤去を命ずる。
- 3 周波数又は空中線電力の指定を変更する。
- 4 無線局の免許を取り消す。
解説
「発射する電波の質」が不適合である場合の処分を問われたら、「臨時に電波の発射の停止を命ずる」を選ぶのが正解です。電波法における「電波の質」と「臨時の発射停止」というフレーズを結びつけて覚えることが最も確実な解き方です。
電波の質と不適合に対する行政処分
電波法における「電波の質」とは、周波数の偏差、電波の偏波面、高調波やスプリアス(目的外の不要な電波)の強度などを指します。これらは総務省令(無線設備規則)によって厳格な技術基準が定められています。
無線局から射出される電波の質が低下すると、他の無線通信に対する広域な混信や妨害の原因となります。そのため、総務大臣は発射する電波の質が基準に適合していないと認めるとき、電波法第72条第1項に基づき、その無線局に対して「臨時に電波の発射の停止」を命じることができます。
発射停止命令を受けた無線局は、機器の点検や修繕を行い、電波の質が基準に適合する状態に改善されたことを確認してもらい、停止命令が解除されるまでは電波を発射することができません。
選択肢を正しく判別する手順
この種の問題に対応する際は、問題文のキーワードから段階的な処分の強さを連想して正解を絞り込みます。
問題文のキーワードを捉える 「発射する電波の質」および「適合していない」という条件を確認します。
状況に応じた適切な措置を判断する 電波の質に問題がある場合、周囲への妨害を直ちに防ぐ必要があります。そのため、まずは応急措置として「電波の発射を一時的に止める」ことが最優先されます。
各選択肢の正誤を検討する 選択肢1の「臨時に電波の発射の停止を命ずる」は、電波法第72条の規定に合致するため正解となります。 選択肢2の「空中線の撤去」のような命令規定は電波法に存在しません。 選択肢3の「周波数又は空中線電力の指定変更」は、混信の防止や非常事態など別の目的で行われる措置(電波法第71条など)です。 選択肢4の「無線局の免許を取り消す」は、著しい不法運用や命令違反が繰り返された場合にとられる最も重い処分(電波法第76条)であり、電波の質の不適合に対して直ちに適用されるものではありません。
運用現場での意義と問題のねらい
無線従事者として無線局を運用する際、送信機の老朽化や故障によって意図しないスプリアスが発生し、知らず知らずのうちに電波の質が悪化してしまうケースがあります。本問題は、無線従事者が「自身の運用する設備から不正な電波が出た場合、どのような行政処分を受けるか」という法的なルールを正しく理解しているかを測定しています。
実際の現場で電波の発射停止命令を受けた場合、送信を即座に停止し、測定器を用いて原因を特定・修理する対応が求められます。通信の混信を防ぎ、良好な電波環境を維持するための基礎知識として極めて重要です。