第二級陸上特殊無線技士 試験問題例題 (法規 No.2) 問6 解説 免許証の返納
無線従事者がその免許証を総務大臣に返納しなければならないのはどの場合か。次のうちから選べ。
- 1 無線従事者の免許の取消しの処分を受けたとき。 ✓ 正答
- 2 5年以上無線設備の操作を行わなかったとき。
- 3 無線従事者の免許を受けてから5年を経過したとき。
- 4 無線通信の業務に従事することを停止されたとき。
解説
返納義務が生じる条件の判断根拠
無線従事者の免許証返納義務は、資格そのものが失効・取消しとなった場合や、再交付後に旧免許証を発見した場合に発生します。一方で、無線従事者免許証には有効期限が存在せず、業務の停止処分は資格の取消しではないため返納義務はありません。したがって、「免許の取消しの処分を受けたとき」が唯一の正解となります。
電波法が定める免許証の返納規定
無線従事者の免許制度において、免許証は国家資格の所有を証明する重要な証書です。電波法および無線従事者規則では、所有者の手元から免許証を回収(返納)しなければならない特定の条件が定められています。
主な返納条件は以下の2点です。
ひとつ目は、電波法に違反するなどして「無線従事者の免許の取消し処分」を受けた場合です。この場合、取消しの処分を受けた日から10日以内に、免許証を総務大臣(または総合通信局長)へ返納しなければなりません。
ふたつ目は、免許証を紛失または破損して再交付を受けた後、失った免許証を発見した場合です。この場合も同様に、発見した日から10日以内に古い方の免許証を返納する義務があります。
選択肢を正誤判定する手順
正解にたどり着くためには、無線従事者資格の性質と行政処分(取消しと停止)の違いを区別して検討します。
選択肢1について、免許の取消し処分を受けると資格そのものを失うため、手元にある免許証は効力を失います。無効となった免許証の不正使用を防ぐため、10日以内に返納しなければなりません。これが正解の選択肢です。
選択肢2および3について、無線従事者免許証は一度取得すると更新手続きの必要がなく、終身有効な資格です。そのため「5年以上操作を行わなかった場合」や「免許を受けてから5年を経過した場合」であっても免許が失効することはありません。返納義務も発生しません。
選択肢4について、「業務に従事することを停止されたとき(運用停止処分)」は、指定された期間中に無線設備の操作を行ってはならないという行政処分です。資格そのものが取り消されたわけではないため、免許証を返納する義務は生じません。
無線従事者制度の構造と出題の狙い
本問は、無線局の免許(事業者や局に対する許可)と、無線従事者の免許(個人に対する資格)のルールの違いを正しく理解しているかを試す問題です。
無線局の免許(無線局免許状)には5年などの有効期間が存在し、定期的な更新手続きが必要です。しかし、無線従事者の資格(免許証)には有効期間がなく、生涯有効という特徴があります。試験では、この2つの制度が混同しやすいことを利用して「5年経過」などのダミー選択肢がよく作成されます。
また、行政処分における「取消し」と「停止」の違いを理解することも重要です。「取消し」は資格の剥奪であるため返納が必要ですが、「停止」は一時的な操作禁止に過ぎないため資格自体は保持されます。
実際の無線従事者として業務を行う際にも、自らの資格の有効性とコンプライアンス上のルールを正しく把握しておくことが求められます。