第一種電気工事士試験 / 令和7年度 下期 学科試験 / 問12
certification-simodake-work

令和7年度 下期 学科試験 問12 解説 LEDランプの特性

LEDランプの記述として, 誤っているものは。

  1. イ. LEDランプはpn接合した半導体に電圧を加えることにより発光する現象を利用した光源である。
  2. ロ. LEDランプに使用されるLEDチップ(半導体)の発光に必要な順方向電圧は, 直流100V以上である。 ✓ 正答
  3. ハ. LEDランプの発光原理はエレクトロルミネセンスである。
  4. ニ. LEDランプには, 青色LEDと黄色を発光する蛍光体を使用し, 白色に発光させる方法がある。

解説

この問題は、LED(発光ダイオード)の基本的な電気的特性を知っていれば、即座に誤りを見抜ける設問です。LEDの順方向電圧は、一般的に数ボルト程度であり、選択肢ロにある「直流100V以上」という記述は物理的に不適切であると判断します。

LEDの動作電圧と電気的性質

半導体素子であるLEDは、ダイオードの一種です。ダイオードに電流を流すために必要な「順方向電圧」は、その半導体材料のバンドギャップ(価電子帯と伝導帯のエネルギー差)によって決まります。

赤色LEDであれば約1.8V〜2.0V、青色や白色LEDであれば約3.0V〜3.5V程度です。LEDチップ一つひとつは、このように非常に低い電圧で駆動します。家庭用の交流100V電源で使用する場合は、LED照明器具の中に「LEDドライバ」や「安定器(整流回路や降圧回路)」が組み込まれており、電圧を適切なレベルまで下げて供給しています。したがって、チップ自体が100Vで駆動するわけではありません。

知識を整理する思考プロセス

この問題を解く際には、各選択肢を以下のように評価します。

イ:pn接合に電流を流すと、電子と正孔が再結合して光を放出する原理は正解です。 ロ:チップの駆動電圧は数ボルト程度。100Vという数値は、照明器具全体の供給電圧と混同させるための誤りであると判断します。 ハ:LEDの発光原理である「エレクトロルミネセンス(EL)」は、電界を加えて物質を発光させる現象の総称であり、これは正しい記述です。 ニ:白色を作る手法として、青色LEDと黄色蛍光体を組み合わせる方法は一般的です。青+黄は補色の関係にあり、光の混合(加法混色)で白色が作られます。

これらの知識を整理すると、選択肢ロのみが明らかに異常な数値であることを確信できます。

電気技術者にとってのLEDの重要性

第一種電気工事士の試験において、この問題が出題される意図は、LED照明を単なる電球の置き換えとしてではなく、電子回路を含む「半導体機器」として理解させることにあります。

現場で照明器具の取り付けや修理を行う際、LEDはフィラメントを用いた白熱電球とは異なり、電源との間に必ず電圧変換回路を介していることを意識する必要があります。もし何らかのトラブルで照明が点灯しない場合、それは電球の断線ではなく、内部の回路素子の故障である可能性が高いという予測が立てられます。このような構造の理解は、保守点検の際のエラー特定能力につながります。

参考リンク

学習の記録にははてなブックマーク!

気づいたこと・覚えたことをコメントにメモしよう