令和7年度 下期 学科試験 問13 解説 浮動充電方式
浮動充電方式の直流電源装置の構成図として, 正しいものは。
- イ.
- ロ.
- ハ.
- ニ. ✓ 正答
解説
浮動充電方式の構成図を見分けるには、「整流器、蓄電池、負荷がすべて並列に接続されているか」を確認してください。交流電源から整流器を通した直流出力に対して、蓄電池と負荷が橋渡しのように並列に並んでいる図が正解となります。
浮動充電方式の仕組み
浮動充電方式とは、常時は整流器が負荷に対して直流電力を供給しつつ、同時に蓄電池に対して自己放電を補う程度の微小な電流(トリクル充電)を流し続ける方式です。この方式の最大のメリットは、停電が発生した瞬間に、蓄電池が即座に無瞬断で負荷へ電力を供給できる点にあります。
この動作を実現するためには、電気回路的に以下の関係が成り立っていなければなりません。
- 整流器の直流出力端子に、負荷を接続する。
- 同じ端子に、蓄電池を並列に接続する。
これにより、整流器が正常なときは「整流器→負荷」および「整流器→蓄電池」へと電流が流れますが、停電時には整流器からの供給が止まり、自動的に「蓄電池→負荷」へと電力が供給される仕組みになっています。
正解を選ぶための見方
選択肢の図を比較検討する際は、回路の接続点(ノード)に注目します。
ニの図では、交流電源を整流器で直流に変換したあと、その出力ラインに対して整流器、蓄電池、負荷が共通のライン上で並列に接続されています。これ以外の選択肢では、負荷が整流器の直後に直列に入っていたり、蓄電池が独立したループになっていたりするため、停電時のバックアップとして機能しません。浮動充電の定義通り、これら三者が並列で結ばれているニこそが、停電対策として信頼性の高い構成です。
実務における重要性
この知識は、データセンターの無停電電源装置(UPS)や、非常用照明設備、通信機器の電源バックアップなど、極めて重要な社会インフラを支える現場で直接活用されます。現場で機器を設置・保守する際、配線が正しい並列接続になっているかを確認することは、停電時に負荷を落とさないための最も基本的な安全確保となります。試験問題の図をただの記号の組み合わせとして覚えるのではなく、停電時にどこからどこへ電流が流れるべきか、という動的なイメージを持つことが合格への近道です。