令和6年度 上期 第一種 学科試験 問43 解説 接地図記号の組合せ
図中の3a 3b に入る図記号の組合せとして,正しいものは。
- イ. ✓ 正答
- ロ.
- ハ.
- ニ.
解説
接地工事の図記号を判別する際は、接地線の接続先と電気設備の種類に着目します。高圧側や特高圧側の変圧器付近など、大電流が流れる可能性がある場所にはより強固なA種接地(EA)が施され、低圧機器の金属製外箱などには感電防止のためのD種接地(ED)が適用されるという原則を当てはめるのが最短の解法です。
接地工事の種類と記号の基本知識
電気設備技術基準において、接地工事は主にA種、B種、C種、D種の4種類に分類されます。図記号では、接地のシンボルの横にアルファベットを付記して区別します。
・A種接地工事(EA):主に高圧機器や避雷器の接地に使用されます。非常に低い接地抵抗値が求められます。 ・B種接地工事(EB):高圧または特別高圧と低圧を結合する変圧器の二次側に施されます。 ・C種接地工事(EC):300Vを超える低圧機器の鉄台などに施されます。 ・D種接地工事(ED):300V以下の低圧機器の金属製外箱などに施される、最も身近な接地です。
試験問題においては、記号の右下に付記されたアルファベット(A, B, C, D)がそのまま接地種別を表すため、これらを正確に暗記しておくことが求められます。
思考プロセス:文脈からの判断
この問題では、図中の3aおよび3bがそれぞれどのような機器や回路を示しているかを読み解くことが重要です。
- 3aの位置:配電系統の電源側や変圧器の接地に関連する箇所であれば、より厳格な基準であるA種接地(EA)が選ばれる可能性が高いと判断します。
- 3bの位置:負荷側の低圧機器や一般的な金属枠であれば、感電防止を目的としたD種接地(ED)が適切です。
選択肢を照らし合わせると、イの組合せ(3aがEA、3bがED)が、一般的な高圧受電設備から低圧負荷に至る接地構成としてもっとも妥当です。
実務および教育的意図
この問題は、単なる記号の暗記を問うだけでなく、電気設備全体を俯瞰したときに、どの箇所にどの程度の強度の接地が必要かという、安全設計の基礎概念を理解しているかを問うています。
電気工事士の実務では、現場の図面を見て接地種別を即座に判断しなければなりません。間違った種別の接地を施すと、故障時に十分な電流を大地に逃がすことができず、機器の故障や漏電による感電事故を引き起こす恐れがあります。図記号を読み解く力は、単なる試験対策を超えて、人命を守るための技術的な裏付けとして不可欠です。