第一種電気工事士試験 / 令和6年度 上期 第一種 学科試験 / 問37
certification-simodake-work

令和6年度 上期 第一種 学科試験 問37 解説 絶縁抵抗計のガード端子

高圧ケーブルの絶縁抵抗の測定を行うとき, 絶縁抵抗計の保護端子(ガード端子)を使用す る目的として,正しいものは。

  1. イ. 絶縁物の表面を流れる漏れ電流も含めて測定するため。
  2. ロ. 高圧ケーブルの残留電荷を放電するため。
  3. ハ. 絶縁物の表面を流れる漏れ電流による誤差を防ぐため。 ✓ 正答
  4. ニ. 指針の振切れによる焼損を防ぐため。

解説

絶縁抵抗計のガード端子に関する問題は、キーワード「表面漏れ電流」と「ガード端子」をセットで覚えるのが最短の攻略法です。絶縁抵抗計には通常、測定端子(L端子、E端子)のほかに「G端子(ガード端子)」が付いており、これが「表面を流れる不要な電流を逃がすもの」であると判断できれば即答できます。

なぜガード端子が必要なのか

絶縁物の電気抵抗を測定する際、本来測定したいのは、絶縁物の内部を通る電流(体積抵抗成分)です。しかし、高圧ケーブルや絶縁碍子などの表面が湿っていたり汚れていたりすると、その表面を伝わって電流が流れてしまいます。

もし測定器にガード端子を使用しない場合、内部を通る電流と表面を通る漏れ電流が合算されて計器に入力されます。すると、実際の絶縁抵抗値よりも低い値が表示されてしまい、正しい絶縁性能を評価できません。ガード端子は、この「表面を通る漏れ電流」を測定回路の外へバイパスさせるための役割を担っています。

思考のステップ

この問題を解く際には、以下の2点を確認します。

  1. 測定の目的は何か:正しい絶縁抵抗値を知ることであり、表面漏れ電流のような「誤差成分」は排除したい。
  2. ガード端子の役割は何か:文字通り「ガード(守る)」の意であり、測定回路を漏れ電流から守る、あるいは測定結果を誤差から守る働きがある。

選択肢を見ると、イは「含めて測定する」とあり、目的と逆行しています。ロの放電は接地(放電)操作、ニの焼損防止は過負荷保護装置の役割です。したがって、誤差を排除するハが唯一の正解となります。

実務現場における重要性

この知識は、高圧ケーブルの定期点検や竣工検査において非常に重要です。絶縁抵抗計は数千ボルト以上の電圧を印加して測定しますが、湿度が高い日やケーブル末端が汚損している状態で測定すると、表面の漏れ電流によって「不良」という誤った判定が出てしまうことがあります。

熟練の技術者は、測定値が疑わしい場合にガード端子を使い、ケーブルの被覆表面を導線で巻いてガード端子に接続することで、表面漏れ電流の影響をキャンセルし、真の絶縁抵抗値を確認します。このように、単なる試験対策としてだけでなく、現場で「正しい判断を下すための必須スキル」として位置づけられています。

参考リンク

学習の記録にははてなブックマーク!

気づいたこと・覚えたことをコメントにメモしよう