第一種電気工事士試験 / 令和6年度 上期 第一種 学科試験 / 問3
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令和6年度 上期 第一種 学科試験 問3 解説 交流回路のリアクタンス

設問図

図のような交流回路において,電源電圧は100V,電流は20A,抵抗Rの両端の電圧は80Vであった。リアクタンスX[Ω]の値は。

  1. イ. 2
  2. ロ. 3 ✓ 正答
  3. ハ. 4
  4. ニ. 5

解説

回路全体のインピーダンス Z=V/IZ = V / I を求め、直列回路における電圧の関係 V2=VR2+VX2V^2 = V_R^2 + V_X^2 またはインピーダンスの関係 Z2=R2+X2Z^2 = R^2 + X^2 を利用して算出します。

計算の手順は以下の通りです。

  1. 回路全体のインピーダンス ZZ を求める: Z=100/20=5[Ω]Z = 100 / 20 = 5 [\Omega]
  2. 抵抗 RR を求める: R=80/20=4[Ω]R = 80 / 20 = 4 [\Omega]
  3. Z2=R2+X2Z^2 = R^2 + X^2 の関係からリアクタンス XX を求める: X=Z2R2=5242=2516=9=3[Ω]X = \sqrt{Z^2 - R^2} = \sqrt{5^2 - 4^2} = \sqrt{25 - 16} = \sqrt{9} = 3 [\Omega]

直列回路における電圧とインピーダンスのベクトル合成

交流回路において、抵抗とリアクタンスが直列に接続されている場合、電圧やインピーダンスを単純な和で求めることはできません。これは、抵抗における電圧降下(または抵抗値)と、リアクタンスにおける電圧降下(またはリアクタンス値)の位相が90度異なっているためです。

この関係を視覚化すると直角三角形を描くことができます。斜辺が回路全体のインピーダンス ZZ または電源電圧 VV、底辺が抵抗成分 RR または電圧降下 VRV_R、そして高さがリアクタンス成分 XX または電圧降下 VXV_X となります。このため、三平方の定理がそのまま適用できるのです。

解法へ至るステップ

まず、問題文から与えられている数値(全体電圧 100V100V、電流 20A20A、抵抗電圧 80V80V)を整理します。直列回路であるため、回路のどこを流れる電流も同じ 20A20A であることが重要です。

次に、リアクタンスにかかる電圧 VXV_X を間接的に導き出します。電源電圧 VV は抵抗とリアクタンスの電圧のベクトル和であるため、V2=VR2+VX2V^2 = V_R^2 + V_X^2 という関係が成り立ちます。 1002=802+VX2100^2 = 80^2 + V_X^2 VX2=100006400=3600V_X^2 = 10000 - 6400 = 3600 VX=60[V]V_X = 60 [V]

最後に、オームの法則 VX=I×XV_X = I \times X を用いてリアクタンスを求めます。 60=20×X60 = 20 \times X X=3[Ω]X = 3 [\Omega]

どちらのアプローチ(インピーダンスから引く方法、電圧から引く方法)でも同じ結果が得られますが、試験本番ではどちらか自分が計算しやすい方を選べば問題ありません。

現場で求められる交流回路の基礎知識

この問題は、単なる計算練習以上に、電気回路の設計やトラブルシューティングの基礎を問うています。実際の現場では、モーターやトランス、あるいは照明の安定器など、抵抗成分と誘導性(または容量性)リアクタンス成分が混在した負荷を扱う機会が非常に多いです。

回路に流れる電流がわかっているとき、特定の機器にかかる電圧を推測したり、回路の力率を考慮して選定する電線の太さを計算したりする場面では、こうしたベクトル的な考え方が不可欠です。単に数値を当てはめるだけでなく、電圧が「そのまま足し算できない」という交流回路特有の挙動を理解しておくことが、第一種電気工事士としての実務能力を支える土台となります。

参考リンク

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