第一種電気工事士試験 / 令和6年度 上期 第一種 学科試験 / 問2
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令和6年度 上期 第一種 学科試験 問2 解説 直流回路の抵抗値

設問図

図のような直流回路において,4つの抵抗Rは同じ抵抗値である。回路の電流I3が12Aであるとき,抵抗Rの抵抗値[Ω]は。

  1. イ. 2
  2. ロ. 3 ✓ 正答
  3. ハ. 4
  4. ニ. 5

解説

並列部分の電圧が共通であることを利用して、回路全体の電流を RR の式で表し、オームの法則に当てはめることで解を導きます。

並列回路における電流と抵抗の反比例関係

この回路は、電源に直列に接続された一つの抵抗 RR と、その先に続く並列部分で構成されています。並列部分は「抵抗 RR が 1 つの枝」と「抵抗 RR が 2 つ直列(つまり 2R2R)になった枝」の 2 ルートに分かれています。

並列回路の大きな特徴は、どの枝にかかる電圧も等しいという点です。電流 I3=12AI_3 = 12 \text{A} が流れている右側の枝の電圧は、オームの法則より V=12×RV = 12 \times R と表せます。

次に、真ん中の枝(電流 I2I_2)に注目します。こちらの抵抗値は R+R=2RR + R = 2R です。同じ電圧 12R12R がかかっているため、流れる電流 I2I_2 は次のように計算できます。

I2=12R2R=6AI_2 = \frac{12R}{2R} = 6 \text{A}

抵抗値が 2 倍になれば、流れる電流は半分になるという反比例の性質がここに見て取れます。

回路全体の電圧バランスからRを特定する

回路の分岐点へと流れ込む全電流 I1I_1 は、キルヒホッフの電流則(流入する電流の和は流出する電流の和に等しい)より、I2I_2I3I_3 を足し合わせたものになります。

I1=6+12=18AI_1 = 6 + 12 = 18 \text{A}

この全電流 I1I_1 は、電源のすぐ隣にある最初の抵抗 RR を通過します。したがって、この最初の抵抗で発生する電圧降下は 18×R18 \times R です。

回路全体の電圧(電源電圧 90V)は、「最初の抵抗による電圧降下」と「並列部分の電圧」の合計です。これらを RR を用いた式にまとめると以下のようになります。

90=18R+12R90 = 18R + 12R 90=30R90 = 30R R=9030=3ΩR = \frac{90}{30} = 3 \Omega

これにより、抵抗 RR は 3Ω であることが導き出されました。

複雑な回路を単純化して捉える思考の訓練

この問題は、一見すると複雑なネットワークに見えますが、本質的には「直列と並列の組み合わせ」をいかに整理できるかを問うています。

実際の電気工事の現場において、複数の負荷(機器)が並列に接続されている状況は非常に一般的です。例えば、一つのコンセント回路に複数の家電が繋がっている状態は、まさにこの図のような並列回路を形成しています。

特定のルートに流れる電流値から逆算して全体の負荷(抵抗)や電圧の配分を把握する能力は、配線設計や故障診断において不可欠です。この問題は、公式を丸暗記するだけでなく、回路の中を電流がどのように分かれて流れていくかという動的なイメージを持つための優れた教育的構造を持っています。

参考リンク

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