令和4年度 第一種 筆記試験 午後 問38 解説 電気工事士法と軽微な工事
「電気工事士法」において,特殊電気工事 を除く工事に関し,政令で定める軽微な工事 及び省令で定める軽微な作業について,誤っ ているものは。
- 軽微な工事については,認定電気工事従事者でなければ従事できない。 ✓ 正答
- 電気工事の軽微な作業については,電気工事士でなくても従事できる。
- 自家用電気工作物の軽微な工事の作業については,第一種電気工事士でなくても従事できる。
- 使用電圧600 Vを超える自家用電気工作物の電気工事の軽微な作業については,第一種電気工事士でなくても従事できる。
解説
この問題は、電気工事士法で定められている「誰がどのような工事を行えるか」という免許の範囲を問うものです。結論から言えば、軽微な工事は「電気工事士の資格がなくても誰でも行える」というのが大原則です。したがって、認定電気工事従事者や特定の資格保持者に限定している選択肢を選べばそれが誤りとなります。
軽微な工事と作業の考え方
電気工事士法では、原則として電気工事士の資格がなければ電気工事を行ってはいけません。しかし、日常生活で触れるような簡単な修理や交換まで全て資格を必要とすると社会生活が滞るため、例外として「軽微な工事」や「軽微な作業」が規定されています。
重要なのは、これらの工事や作業には「電気工事士の資格は不要である」という点です。選択肢イにある「認定電気工事従事者」は、自家用電気工作物のうち簡易電気工事(600V以下)を行うための別の資格であり、軽微な工事を行うために必須の資格ではありません。軽微な工事であれば、電気工事士免状も認定電気工事従事者証も持っていない一般の人であっても施工可能です。
法律が定める対象の範囲
この問題で問われている「自家用電気工作物」の軽微な工事や「600Vを超える」工事という用語は、混乱しやすいポイントです。整理すると以下のようになります。
- 軽微な工事:電気工事士法第3条に基づき、資格が不要と定められた工事(例:小規模な電球の交換、ヒューズの交換、電圧が600V以下で簡易的な工事など)。これらは無資格者でも従事できます。
- 軽微な作業:電気工事を行う際に補助的な役割として行われる作業。これも電気工事士でなくても従事可能です。
問題文にある「600Vを超える自家用電気工作物の電気工事の軽微な作業」という表現は、あくまで「軽微な作業であれば資格は不要」という原則に従っています。資格が必要なのは「軽微ではない、本格的な電気工事」を行う場合です。
実務と試験での活用
この知識は、現場で自分が「これは無資格で作業してもよい内容か、それとも電気工事士の資格が必要な内容か」を判断する際の法的根拠となります。第一種電気工事士を目指す方は、自分が上位の資格を持っているからといって、すべてが作業可能だと誤認してはいけません。逆に、軽微な工事の定義を知っておくことは、自分が行うべき工事と、そうでない工事を峻別するリスク管理の観点からも非常に重要です。試験においても、この「資格が不要な範囲」を正確に把握しているかが問われています。