令和3年度 上期 筆記試験 問7 解説 三相短絡容量の式
三相短絡容量[V・A]を百分率インピーダンス%Z[%]を用いて表した式は。 ただし, V=基準線間電圧[V], I=基準電流[A]とする。
- イ. VI/%Z * 100
- ロ. √3VI/%Z * 100 ✓ 正答
- ハ. 2VI/%Z * 100
- ニ. 3VI/%Z * 100
解説
三相短絡容量 を求めるには、基準容量 を百分率インピーダンス で割り、100を掛けるという公式を適用します。三相回路の基準容量 は と表されるため、これらを組み合わせた式 を選べば正解となります。
百分率インピーダンスの役割と定義
百分率インピーダンス(%インピーダンス)とは、基準となる電圧や電流に対するインピーダンスの比率を百分率で表したものです。電力系統における故障計算を簡略化するために非常に重要な指標です。
定義式は以下の通りです。
ここで、 は線間電圧、 は電流、 はインピーダンスです。この式を短絡時の状態に当てはめると、短絡時には電圧がインピーダンスにすべてかかるため、短絡容量との関係を導き出すことができます。
三相短絡容量を導くプロセス
三相短絡容量 は、短絡が発生したときに流れる短絡電流 と線間電圧 を用いて、 と定義されます。
一方、短絡電流 は、定格電流 を で割ったものに100を掛ける()ことで求められます。この関係を容量の式に代入すると、以下の手順で正解の式が導かれます。
- 基準容量を とする。
- 短絡電流 を定格電流 と を用いて と表す。
- 三相短絡容量 に を代入する。
このように、単位変換の感覚で をベースに の影響を反映させるのが、この問題を素早く解くコツです。
実務における短絡容量の重要性
この知識は、電気主任技術者や電気工事士が現場で「遮断器の選定」を行う際に不可欠です。
例えば、受変電設備において、万が一短絡事故が発生した際、遮断器には非常に大きな電流が流れ込みます。遮断器には「定格遮断容量」という、安全に電気を遮断できる限界の数値が決められています。計算によって求めた短絡容量 が、遮断器の遮断容量を上回ってしまうと、遮断器が焼損したり、爆発したりする恐れがあります。
そのため、設計段階で系統の を把握し、適切な遮断器を選定することは、設備の安全性と信頼性を担保する最も重要なタスクの一つと言えます。試験では式を問う問題が出題されますが、実務では「この短絡容量に対して今の遮断器は耐えられるか」という判断基準として活用されているのです。