第一種電気工事士試験 / 令和3年度 下期 学科試験 / 問29
certification-simodake-work

令和3年度 下期 学科試験 問29 解説 ケーブル工事の施工

使用電圧が300V以下の低圧屋内配線のケーブル工事の施工方法に関する記述として,誤っているものは。

  1. イ. ケーブルを造営材の下面に沿って水平に取り付け,その支持点間の距離を3mにして施設した。 ✓ 正答
  2. ロ. ケーブルの防護装置に使用する金属部分にD種接地工事を施した。
  3. ハ. ケーブルに機械的衝撃を受けるおそれがあるので,適当な防護装置を設けた。
  4. ニ. ケーブルを接触防護措置を施した場所に垂直に取り付け,その支持点間の距離を5mにして施設した。

解説

ケーブル工事の支持点間距離に関する知識を問う問題です。この問題を解くための決定的な根拠は、造営材に沿ってケーブルを固定する際の「水平取り付け時における最大支持点間距離は2m以下」という規定です。

ケーブル工事の支持点間距離のルール

低圧屋内配線におけるケーブル工事では、ケーブルを造営材(壁や天井など)の面に沿って施設する場合、ケーブルの重さやたわみによる損傷を防ぐため、一定間隔で支持する必要があります。

このルールは取り付け方向によって異なります。

・水平に取り付ける場合:支持点間距離は2m以下とする。 ・垂直に取り付ける場合:支持点間距離は6m以下とする。

今回の選択肢イでは「水平」に取り付けて「3m」の間隔を空けています。これは規定の2mを超えているため、不適切となります。一方、選択肢ニの「垂直」取り付けで「5m」という値は、6m以下という規定内に収まっているため、適切です。

思考のステップ

問題文を読んだら、まずは「施工の条件」と「数値」の組み合わせを整理します。

  1. 対象は何か:今回の工事は「ケーブル工事」である。
  2. 施工方法は何か:造営材の下面に沿った「水平取り付け」である。
  3. 規定値と照らし合わせる:水平なら「2m以下」という知識を瞬時に引き出す。
  4. 選択肢を比較する:提示された「3m」が「2m以下」の条件を満たしていないことを確認し、誤りであると判断する。

試験では「水平」と「垂直」のどちらの規定を問われているのかを正確に見極めることが重要です。試験問題ではしばしば、この数値を入れ替えた選択肢を作成して受験者の知識の曖昧さを突いてきます。「水平は短め(2m)、垂直は長め(6m)」とセットで覚えておくと、混同を防ぐことができます。

実務と教育的背景

このルールは、ケーブルが自重で垂れ下がり、造営材の角などで被覆が損傷したり、端子部に余計な引張荷重がかかって接続不良や火災の原因になったりするのを防ぐためにあります。

電気工事士の試験において、こうした数値を問う問題が多いのは、実際の現場で「なんとなく」施工するのではなく、規定に基づいた安全な支持を行える技術者を求めているからです。特に高所や天井裏など、一度施工すると点検が難しい箇所では、支持点間距離を正しく守ることは、数十年単位での電気設備の安全を担保する重要な判断となります。実務においても、この数値は暗記しているレベルであるべき基本的な規程です。

参考リンク

学習の記録にははてなブックマーク!

気づいたこと・覚えたことをコメントにメモしよう