令和3年度 下期 学科試験 問27 解説 金属管工事の施工
金属管工事の施工方法に関する記述として, 適切なものは。
- イ. 金属管に,屋外用ビニル絶縁電線を収めて施設した。
- ロ. 金属管に,高圧絶縁電線を収めて,高圧屋内配線を施設した。
- ハ. 金属管内に接続点を設けた。
- ニ. 使用電圧が400Vの電路に使用する金属管に接触防護措置を施したので,D種接地工事を施した。 ✓ 正答
解説
金属管工事に関するルールは、感電防止と火災予防の観点から厳格に定められています。各選択肢の誤りを見極めることが合格への近道です。
選択肢の判断根拠
この問題は、金属管工事における「電線の種類」「管内接続の禁止」「接地工事の省略条件」という3つの重要知識を問うています。
・イ:金属管に収める電線は、原則として絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線を除く)を使用しなければなりません。屋外用ビニル絶縁電線(OW)は絶縁性能や機械的強度の観点から屋内配線には使用できず、金属管工事でも不可です。 ・ロ:高圧屋内配線には、金属管工事ではなく、ケーブル工事やがいし引き工事などが用いられます。高圧電路を金属管に収めることは構造上および安全上認められていません。 ・ハ:金属管内での電線接続は、原則として禁止されています。管内で接続点を作ると、万が一の過熱や火花が発生した際に金属管へ燃え移る危険があるためです。 ・ニ:使用電圧が400V以下の金属管には、D種接地工事を施す必要があります。ただし、「人が容易に触れるおそれがある場所に接触防護措置を施した場合」や「乾燥した場所に施設する場合」など、一定の条件下では接地工事を省略、または緩和できる規定があります。設問ではこの規定に合致しているため適切と判断されます。
金属管工事の安全ルールの基本
金属管工事の目的は、電線を物理的な外傷から保護することと、万が一の漏電時に金属管を介して地絡電流を確実に流し、保護装置を動作させることにあります。
特に接地工事の規定は頻出です。通常、金属製の管(金属管や金属可とう電線管など)は、漏電時に筐体が帯電するリスクがあるため接地が必須です。しかし、400V以下の低圧回路においては、人が触れないような環境であったり、絶縁性の防護措置がなされている場合は、感電の危険性が低いとみなされ、接地工事の省略が認められます。この「条件付き省略」は電気設備技術基準の中でも非常に実務的な項目です。
現場での設計と施工への応用
試験では「金属管には何を入れてよいか」「どこまでが許容されるか」という知識が問われますが、実務ではこれらに加えて「電線の太さと管の太さの選定(占有率)」が重要になります。
金属管工事は、他の工事方法に比べて機械的強度が非常に高く、工場や商業施設の露出配線で重宝されます。しかし、管内で電線同士が密着しすぎると放熱が悪くなり、電流容量の低下を招きます。また、選択肢ハで指摘された「接続点」の禁止についても、現場では「プルボックス」を適切に配置して、管外で接続を行う設計にする必要があります。プルボックスの配置計画は、配管の施工性や後のメンテナンスを左右する重要なプロセスです。
試験対策としては、単に暗記するだけでなく、「なぜ接続してはいけないのか(火災防止)」「なぜこの電圧なら接地省略ができるのか(感電リスクの低減)」という理由をセットで覚えると、応用問題にも対応しやすくなります。