第一種電気工事士試験 / 令和2年度 第一種電気工事士 筆記試験 / 問21
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令和2年度 第一種電気工事士 筆記試験 問21 解説 キュービクル式設備

キュービクル式高圧受電設備の特徴として,誤っているものは。

  1. イ. 接地された金属製箱内に機器一式が収容されるので,安全性が高い。
  2. ロ. 開放形受電設備に比べ,より小さな面積に設置できる。
  3. ハ. 開放形受電設備に比べ,現地工事が簡単となり工事期間も短縮できる。
  4. ニ. 屋外に設置する場合でも,雨等の吹き込みを考慮する必要がない。 ✓ 正答

解説

この問題は、キュービクル式高圧受電設備(以下、キュービクル)の定義と特性を理解していれば、消去法を用いるまでもなく即座に判断できます。誤りを探す問題であるため、「当然守るべき注意点や物理的制約」を無視している選択肢が正解となります。

キュービクル式受電設備の防護構造

キュービクルとは、高圧受電に必要な遮断器、断路器、変圧器、計器などの機器類を一つの金属製の箱(キュービクル)に収容した受電設備です。

金属製の外箱で覆われているため、充電部が外部に露出せず、人体との接触事故を防ぐ高い安全性を備えています。また、工場で組み立てられた状態で出荷されるため、現地での据え付け工事が簡単で短期間で完了し、さらに省スペースでの設置が可能です。

一方で、屋外に設置する場合、当然ながら雨水や湿気に対する対策が必要です。金属箱であるとはいえ、通気口や扉の隙間などから雨水が浸入すれば、内部の電気機器が絶縁不良を起こしたり、錆びたりする原因となります。そのため、JIS規格等に基づいた「防雨構造」を維持しなければなりません。「雨等の吹き込みを考慮する必要がない」という記述は、機器の維持管理の基本を否定するものであり、技術的に誤りです。

誤答を瞬時に見抜くための論理

この問題を解く際の思考プロセスは、以下の対比に集約されます。

  • 設置環境と設備能力の関係:電気機器は「湿気・浸水・塵埃」を最も嫌います。どのような受電方式であっても、屋外に設置する際は「風雨からの保護」が設計上の必須要件です。したがって、「考慮する必要がない」という言い切りの選択肢が出てきた時点で、それが誤りである可能性が非常に高いと判断できます。

  • 選択肢の比較:イ、ロ、ハはキュービクルの長所(安全性、省スペース、施工性)を述べており、いずれも正しい記述です。これらはキュービクルを採用する主な動機そのものです。

現場で求められる知識の意義

試験合格のためだけでなく、実務においてこの知識は非常に重要です。実際の現場でキュービクルの配置を検討する際、雨風の吹き込みを考慮しない設計を行えば、それは短期間での設備故障や地絡事故につながります。

もし屋外に設置するのであれば、庇(ひさし)を設置する、防雨型の筐体仕様を選択する、あるいは通気口の構造に留意するなどの具体的な対策が必要になります。この問題は、単なる知識の暗記を問うているのではなく、電気設備設計における「環境保護」という基本原則が理解できているかを問う良問です。

参考リンク

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