第一種電気工事士試験 / 令和2年度 第一種電気工事士 筆記試験 / 問20
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令和2年度 第一種電気工事士 筆記試験 問20 解説 高頻度開閉機器

次の機器のうち,高頻度開閉を目的に使用されるものは。

  1. イ. 高圧断路器
  2. ロ. 高圧交流負荷開閉器
  3. ハ. 高圧交流真空電磁接触器 ✓ 正答
  4. ニ. 高圧交流遮断器

解説

高頻度開閉というキーワードが出た時点で、即座に電磁接触器(マグネットスイッチ)を連想することが正解への近道です。電動機のような頻繁に始動・停止を繰り返す機器の制御には、遮断器のような大掛かりな装置ではなく、開閉性能に特化した電磁接触器が選ばれます。

開閉機器それぞれの役割と特徴

高圧受電設備で使用される主な開閉機器は、その目的に応じて構造と役割が明確に分かれています。今回の選択肢にある機器を整理します。

高圧交流真空電磁接触器(VMC) 電磁力を利用して接点を閉じ、ばねの力で開放する機器です。最大の特徴は、頻繁な開閉に耐えられる構造を持っていることです。電動機やコンデンサの制御など、1日に何度も操作が必要な場所で活躍します。内部でアークを消すために真空バルブが使われており、耐久性が非常に高いのが特徴です。

高圧交流遮断器(VCBなど) 事故が発生した際、短絡電流などの非常に大きな電流を遮断することを主目的としています。過酷な電流を断つために非常に頑丈に作られていますが、機械的な開閉回数の寿命は電磁接触器ほど多くありません。あくまで非常用や保護用であり、常用開閉には向きません。

高圧断路器(DS) 回路を切り離して点検作業を行うためのもので、基本的に電流が流れていない状態(無負荷)で操作します。消弧装置を持っていないため、負荷電流を遮断しようとすると激しいアークが発生して非常に危険です。開閉を目的とした機器ではないと理解しましょう。

高圧交流負荷開閉器(LBS) 負荷電流を遮断することは可能ですが、事故電流のような大電流を遮断する能力はありません。簡易的な操作には適していますが、電磁接触器のような高頻度の制御を繰り返す用途には設計されていません。

機器選定の思考プロセス

試験問題で問われているのは、各機器の「何のために作られたか」という設計思想の理解です。

  1. 頻度が高い操作か?(低頻度なら遮断器や断路器の可能性が高い)
  2. 遮断すべき電流の大きさは?(事故時の大電流なら遮断器、負荷電流なら負荷開閉器)
  3. 制御対象は何か?(電動機の始動などなら電磁接触器)

この問題のように「高頻度開閉」とあった場合、遮断器や断路器の選択肢を即座に除外できるかどうかが鍵になります。

現場で求められる知識の構造

この知識は、受変電設備の設計や保守において、コストと機能の最適化を図るために不可欠です。

例えば、電動機の始動回路に遮断器をそのまま使うと、すぐに接点が摩耗して寿命を迎えてしまいます。一方で、開閉器の代わりに安価な断路器を使えば、事故や故障を引き起こします。各機器は「どのような電流を」「どの程度の頻度で」扱うことを想定しているのかという限界性能を理解しておくことは、現場での安全を守るための基本動作です。

第一種電気工事士試験では、このように個別の機器の単なる名称だけでなく、設備全体の中でその機器がどのポジションを担っているのかを意識することで、応用問題にも対応できる力が身につきます。

参考リンク

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