第一種電気工事士試験 / 令和2年度 第一種電気工事士 筆記試験 / 問9
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令和2年度 第一種電気工事士 筆記試験 問9 解説 平均需要電力

負荷設備の合計が500kWの工場がある。 ある月の需要率が40%, 負荷率が50%であ った。この工場のその月の平均需要電力[kW] は。

  1. イ. 100 ✓ 正答
  2. ロ. 200
  3. ハ. 300
  4. ニ. 400

解説

この問題は、以下の2段階の計算を行うことで解くことができます。

  1. 最大需要電力の算出:設備容量 × 需要率
  2. 平均需要電力の算出:最大需要電力 × 負荷率

計算式に当てはめると、500kW × 0.4 = 200kW(最大需要電力)、続いて 200kW × 0.5 = 100kW(平均需要電力)となり、正解はイとなります。

需要率と負荷率の定義

電気設備の運用において、設備の「どれくらいを同時に使っているか」と「どれくらい効率的に電気を使っているか」を把握することは非常に重要です。

需要率は、設備容量に対して実際にどれだけの電力が使われるかの割合を示します。工場内の全機械が同時にフル稼働することは稀であるため、設備容量の合計そのものではなく、この需要率を用いて最大需要電力を予測し、受変電設備の容量を決定します。

一方で負荷率は、ある一定期間において、最大需要電力に対して平均してどれくらいの電力を使っているかの割合を示します。負荷率が高いということは、電力需要が一定しており、設備が安定して稼働していることを意味します。

計算の論理構成

この問題を解く際の思考プロセスは、川の流れに例えると理解しやすくなります。

まず、設備全体としての「器の大きさ(設備容量)」があり、そこから現実的な「ピーク時の使用量(最大需要電力)」へと絞り込みます。次に、そのピーク時を基準として、時間軸全体で平均した「平均的な使用量(平均需要電力)」を導き出します。

数式で表すと以下のようになります。 平均需要電力 = 設備容量 × 需要率 × 負荷率

つまり、需要率を掛けることで「最大値」を特定し、負荷率を掛けることでその最大値に対する「平均値」へ変換するという順序を守ることが重要です。

電気設備設計における実用的な意味

この知識は、単なる試験用の計算式ではありません。実務において最も重要な受変電設備の設計、いわゆる「容量計算」の基礎となります。

設計者は、最大需要電力を基にして、過不足のない変圧器の容量を選定します。過大な変圧器は設置コストや無負荷損を増大させ、逆に過小な変圧器は過負荷による焼損のリスクを招きます。また、負荷率は電気料金の契約内容や、設備の稼働計画を立てる際、さらには将来的な省エネ診断を行う際の重要な指標となります。

この問題を解くことは、工場などの電力設備がどの程度の規模で運用され、どの程度の実効的なエネルギー消費を行っているのかという、電力マネジメントの全体像を把握する訓練につながっています。

参考リンク

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