第一種電気工事士試験 / 令和2年度 第一種電気工事士 筆記試験 / 問10
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令和2年度 第一種電気工事士 筆記試験 問10 解説 三相誘導電動機の電流

定格電圧 200 V, 定格出力 11 kW の三相誘導電動機の全負荷時における電流[A]は。 ただし, 全負荷時における力率は 80 %, 効率は 90 %とする。

  1. イ. 23
  2. ロ. 36
  3. ハ. 44 ✓ 正答
  4. ニ. 81

解説

三相誘導電動機の電流を求めるには、電動機の出力式 P=3VIcosθηP = \sqrt{3} V I \cos\theta \eta を変形し、I=P3VcosθηI = \frac{P}{\sqrt{3} V \cos\theta \eta} に数値を代入して計算します。

今回の数値は P=11000P = 11000 [W]、V=200V = 200 [V]、cosθ=0.8\cos\theta = 0.8η=0.9\eta = 0.9 です。これらを式に当てはめると、分子は 1100011000、分母は 3×200×0.8×0.91.732×144249.4\sqrt{3} \times 200 \times 0.8 \times 0.9 \approx 1.732 \times 144 \approx 249.4 となり、11000÷249.444.111000 \div 249.4 \approx 44.1 [A] が導き出されます。

電気的出力と入力の関係

三相誘導電動機の出力とは、軸から取り出せる機械的な仕事率のことです。一方で、電源から供給される電力は電気的な入力となります。この間にはエネルギーの損失が存在し、効率 η\eta(イータ)によってその関係が定義されます。

出力 PP を求める式は、以下の要素で構成されています。

PP:出力 [W] 3\sqrt{3}:三相回路における線間電圧と線電流の関係係数 VV:線間電圧 [V] II:線電流 [A] cosθ\cos\theta:力率 η\eta:効率

電動機に投入された電気エネルギーの一部が、回転に伴う摩擦や電気的損失として失われるため、効率 η\eta を掛けることで「実際に取り出せる出力」が計算できます。今回の問題では、出力が先に与えられているため、効率で割ることで、逆に「必要な電流」を逆算するという論理構成になっています。

計算問題を解く際の思考ステップ

試験本番でこの問題を解く際、単位の扱いに注意を払うことが最も重要です。定格出力は 1111 [kW] と記載されていますが、電圧や効率の計算で用いる単位は [W] であるため、最初に 1100011000 [W] へ変換します。

計算の際は、分母を先にまとめてから割り算を行うとミスが減ります。特に 3\sqrt{3}1.7321.732 として計算する際、小数点の位置を間違えないよう注意してください。今回のケースでは、選択肢の数値が離れているため、3\sqrt{3}1.731.73 程度で見積もって計算しても十分に正解に到達可能です。

実務現場における負荷電流の重要性

この問題で計算した電流値は、現場で電動機を設置する際に極めて重要な情報となります。なぜなら、その値に基づいて以下の選定を行う必要があるからです。

  1. 電線の太さ:電動機に流れる電流に耐えられる許容電流を持つ電線を選ばなければ、発熱による火災のリスクが生じます。
  2. 開閉器・ブレーカーの容量:始動時に大きな電流が流れることを考慮しつつ、過負荷保護機能を持つブレーカーの定格を選定する必要があります。
  3. 電磁開閉器の選定:電動機を制御するためのコンタクタやサーマルリレーの選定においても、全負荷電流値はベースとなる指標です。

試験問題では単なる数値計算に見えますが、これは「設計した回路が、接続する負荷に対して安全に電力を供給できるか」を判断する、電気保安技術者の基礎体力を問う問題だといえます。

参考リンク

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