第一種電気工事士試験 / 令和2年度 第一種電気工事士 筆記試験 / 問2
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令和2年度 第一種電気工事士 筆記試験 問2 解説 直流回路の電位

設問図

図のような直流回路において, a-b間の電圧 [V]は。

  1. イ. 2
  2. ロ. 3 ✓ 正答
  3. ハ. 4
  4. ニ. 5

解説

この問題は、回路全体を流れる電流を求め、各抵抗にかかる電圧降下を順に追うことで解けます。

まず、回路全体の合成抵抗を求めます。並列部分の合成抵抗は 2+8=10Ω2+8=10\,\Omega の枝と、5+5=10Ω5+5=10\,\Omega の枝が並列になっているため、10Ω//10Ω=5Ω10\,\Omega // 10\,\Omega = 5\,\Omega です。これに直列の 5Ω5\,\Omega を加えると全抵抗は 10Ω10\,\Omega となり、回路全体の電流は 20V/10Ω=2A20\,\text{V} / 10\,\Omega = 2\,\text{A} となります。

次に、並列回路の入り口の電圧(端子電圧)を求めます。入り口の電圧は、全電圧 20V20\,\text{V} から左端の 5Ω5\,\Omega 抵抗での電圧降下 2A×5Ω=10V2\,\text{A} \times 5\,\Omega = 10\,\text{V} を引いた 10V10\,\text{V} です。この 10V10\,\text{V} が上下2つの枝にそのままかかります。

上側の枝(2Ω2\,\Omega8Ω8\,\Omega)では、電圧 10V10\,\text{V} が抵抗比で分圧され、端子 a の電位は 10V×{8/(2+8)}=8V10\,\text{V} \times \{8/(2+8)\} = 8\,\text{V} となります。 下側の枝(5Ω5\,\Omega5Ω5\,\Omega)では、電圧 10V10\,\text{V} が等分され、端子 b の電位は 10V×{5/(5+5)}=5V10\,\text{V} \times \{5/(5+5)\} = 5\,\text{V} となります。 したがって、a-b 間の電圧は 8V5V=3V8\,\text{V} - 5\,\text{V} = 3\,\text{V} です。

電位の考え方

この解法において最も重要な概念は「電位」です。ある基準点(通常は電源のマイナス側など)を 0V0\,\text{V} としたとき、回路内の各点のエネルギーの高さを示す指標となります。本問のように、端子間の電圧を求める際は、各端子が基準点に対してどれだけの高さにあるかを個別に計算し、その差をとるのが定石です。

段階的な分解の手法

この回路を解く思考プロセスは、大きく分けて2段階あります。

  1. 全体像の把握: 回路全体に流れる電流と、並列回路部分にかかっている電圧を特定する。
  2. 部分の切り出し: 並列回路を個別の枝(直列回路)として捉え、分圧の法則を適用して各端子の電位を決定する。

第一種電気工事士試験では、このような複雑な回路を「計算しやすい単位」に分解する力が求められます。いきなり全体を解こうとせず、まずは「並列回路の入り口までは何ボルトか」という境界条件を明確にすることが、ミスを防ぐ秘訣です。

現場における回路解析の応用

この問題で用いた「分圧」や「電位差の算出」という考え方は、実際の現場でも活用されます。例えば、制御回路において、センサー信号を取り出す際に基準電位との差を確認したり、複数の負荷が並列接続された回路で電圧降下を計算したりする際に、この考え方が直接的に必要となります。設計図面を読み解き、どこでどれだけの電圧が発生しているかを推論する力は、トラブルシューティングを行う電気主任技術者や施工管理担当者にとって不可欠なスキルです。

参考リンク

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