2019年度 第一種電気工事士 筆記試験 問13 解説 鉛蓄電池の電解液
鉛蓄電池の電解液は。
- イ. 水酸化ナトリウム水溶液
- ロ. 水酸化カリウム水溶液
- ハ. 塩化亜鉛水溶液
- ニ. 希硫酸 ✓ 正答
解説
この問題は、蓄電池の種類とその電解液の組み合わせを暗記しているかどうかを問う知識問題です。鉛蓄電池とくれば、セットで希硫酸と即答できるようにしておくことが合格への近道です。
蓄電池ごとの電解液の違い
電気工事士の試験において蓄電池の電解液は、大きく分けて「鉛蓄電池」と「アルカリ蓄電池」の2種類を区別して覚える必要があります。
鉛蓄電池の電解液には、希硫酸が使われます。一方、ニッケルカドミウム蓄電池などに代表されるアルカリ蓄電池の電解液には、水酸化カリウム水溶液が用いられます。この二つは試験で非常によく入れ替えて出題されるため、混同しないように整理することが重要です。
誤答選択肢を排除する思考法
試験中に迷わないためには、それぞれの物質がどのような性質を持っているかからアプローチします。
まず、イの「水酸化ナトリウム」とロの「水酸化カリウム」は、どちらも強塩基(アルカリ性)を示す物質です。試験の出題者も、この二つを並べることで「アルカリ蓄電池=アルカリ性」という知識があるかを確認しようとします。しかし、鉛蓄電池の電解液である希硫酸は「酸性」です。
つまり、鉛蓄電池というキーワードに対して、酸性かアルカリ性かという大きな分類をまず行い、酸性であれば希硫酸、アルカリ性であればアルカリ蓄電池へと分類を進める思考プロセスが有効です。ハの「塩化亜鉛」は乾電池(マンガン乾電池など)で用いられる電解質であり、蓄電池の電解液とは異なります。
なぜこの知識が重要なのか
実際の現場において、蓄電池のメンテナンスや交換作業を行う際、間違った電解液を補充することは重大な事故につながります。例えば、鉛蓄電池にアルカリ溶液を誤って注入すると、化学反応が正常に進まないだけでなく、電池の劣化や故障、場合によっては発熱や異常なガス発生を招く恐れがあります。
また、電解液そのものが強い腐食性を持っているため、取り扱いには適切な保護具の着用や、こぼした場合の処理方法(中和剤の用意など)を知っておく必要があります。試験の意図は単なる暗記確認にとどまらず、蓄電池を取り扱う技術者としての安全意識と正しい知識を求めているのです。