第一種電気工事士試験 / 平成30年度 筆記試験(追加試験分) / 問28
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平成30年度 筆記試験(追加試験分) 問28 解説 低圧屋内配線工事

点検できない隠ぺい場所において, 使用電圧 400 V の低圧屋内配線工事を行う場合, 不適切 な工事方法は。

  1. イ. 合成樹脂管工事
  2. ロ. 金属ダクト工事 ✓ 正答
  3. ハ. 金属管工事
  4. ニ. ケーブル工事

解説

この問題は、「点検できない隠ぺい場所」において使用が認められない配線工法を問うものです。点検できない場所では、配線の損傷や劣化を早期に発見し補修することが困難なため、使用できる配線工法が厳しく制限されています。

選択肢の「金属ダクト工事」は、ダクトの蓋を開けて電線の点検や交換を容易に行えることを前提とした工法であり、点検できない隠ぺい場所での使用は認められていません。これが本問の不適切な工法です。

「点検できない場所」における配線工法の選定基準

電気設備技術基準の解釈や内線規程では、配線が施設される場所の環境に応じて、適切な工法を細かく定めています。特に「点検できない場所」での配線は、一度施設してしまうと、その後の点検や補修が極めて困難になるため、安全確保の観点から使用できる工法が厳しく制限されます。

点検できない場所とは?

点検できない場所とは、例えば天井裏、壁の中、床下など、配線後に人が容易に立ち入ることができず、目視による点検や補修が困難な空間を指します。このような場所では、配線の被覆損傷、接続不良、過負荷による発熱といったトラブルが発生しても発見が遅れ、火災や感電事故につながるリスクが高まります。

なぜ工法が制限されるのか

配線工法は、電線を外部の衝撃や環境要因から保護し、適切な絶縁を保つことで、安全な電気供給を目的としています。点検できない場所では、トラブル発生時の対応が難しいため、

  • 電線を物理的に堅牢に保護できる工法
  • 電線自体が高い保護性能を持つ工法
  • 万が一の事故時にも他の部分への影響を最小限に抑えられる工法 に限定されます。

各工法の「点検できない場所」での適用可否

選択肢に示されている各工法について、点検できない場所(隠ぺい場所)での使用可否と、その理由を見ていきましょう。

イ. 合成樹脂管工事

合成樹脂管工事は、電線を合成樹脂製の管(CD管、PF管など)に収めて保護する工法です。管が電線を物理的な損傷や外部環境から保護するため、点検できない隠ぺい場所での使用が認められています。特にCD管はコンクリート埋設専用、PF管は露出・埋設両用など、用途に応じた使い分けがされます。

ロ. 金属ダクト工事

金属ダクト工事は、金属製の箱状のダクト内部に電線を収納し、ダクトの蓋を開けることで配線の点検や増設・変更を容易に行えるようにした工法です。この「点検・保守の容易さ」が大きな特長であるため、ダクト内部の点検が不可能となる点検できない隠ぺい場所での使用は原則として認められていません。本問の不適切な工法はこれにあたります。

ハ. 金属管工事

金属管工事は、電線を金属製の管(ねじなし電線管、薄鋼電線管など)に収めて保護する工法です。合成樹脂管工事よりもさらに堅牢に電線を保護できるため、点検できない隠ぺい場所での使用が認められています。火災延焼防止の観点からも優れています。

ニ. ケーブル工事

ケーブル工事は、絶縁体と保護外装を備えたケーブル(VVFケーブル、CVケーブルなど)をそのまま施設する工法です。ケーブル自体が高い保護性能を持つため、点検できない隠ぺい場所での使用が認められています。特にVVFケーブルは住宅の屋内配線で広く用いられています。

この問題から学ぶべきこと:電気工事士の責任と安全意識

この問題は、単に各工法の名称とその特徴を覚えているかという知識だけでなく、「なぜその工法が許されるのか、あるいは許されないのか」という安全に対する根本的な理解を問うものです。

電気工事士は、配線の安全性と信頼性を確保するプロフェッショナルです。特に、壁や天井の裏など、一度隠れてしまう部分の配線は、後から不具合が見つかっても容易に修正できません。そのため、適切な工法を選択し、確実な施工を行うことが、利用者の安全と財産を守る上で極めて重要になります。使用電圧400Vの低圧配線は、通常の100V/200Vよりも高い電圧であり、事故時の危険性も増すため、工法選択の重要性は一層高まります。

常に「見えない部分こそ、最も安全に」という意識を持って作業に臨むことが、電気工事士には求められます。

参考リンク

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