平成30年度 筆記試験(追加試験分) 問27 解説 バスダクト工事
展開した場所のバスダクト工事に関する記述 として、誤っているものは。
- イ. 低圧屋内配線の使用電圧が400Vで,接触防護措置を施したので,ダクトにはD種接地工事を施した。
- ロ. 低圧屋内配線の使用電圧が200Vで,かつ,湿気が多い場所での施設なので,屋外用バスダクトを使用し,バスダクト内に水が浸入して溜まらないようにした。
- ハ. 低圧屋内配線の使用電圧が200Vで,接触防護措置を施したので,ダクトの接地工事を省略した。 ✓ 正答
- ニ. ダクトを造営材に取り付ける際,ダクトの支持点間の距離を2mとして施設した。
解説
バスダクトの接地工事に関する判断基準
バスダクト工事における接地工事は、使用電圧に関わらず原則として施す必要があります。特に低圧屋内配線において、接触防護措置を施したからといって接地工事を省略できる規定は存在しません。したがって、選択肢ハの「接地工事を省略した」という記述が誤りとなります。
バスダクト工事における接地工事のルール
金属製のダクトや筐体を持つ設備では、漏電時の感電事故を防止するために接地工事が必須です。バスダクトは外箱が金属製であるため、使用電圧が300V以下であっても、原則としてD種接地工事を施さなければなりません。
この際、注意が必要なのは「接触防護措置を施せば接地を省略できるのか」という点です。結論から述べると、バスダクトにおいては接触防護措置の有無にかかわらず接地工事は省略できません。これは、機械器具の金属製外箱の接地を省略できるケース(乾燥した場所で接触防護措置を施す場合など)と混同しやすいポイントですが、バスダクトの規定は別個に定められていることを理解しておく必要があります。
正解を導くための思考プロセス
問題文の選択肢を一つずつ検討し、規定と照らし合わせます。
・選択肢イ:低圧屋内配線で400Vであれば、D種接地工事を施すのは適切です。 ・選択肢ロ:湿気や水気が多い場所では、腐食や浸水の恐れがあるため屋外用などの適切な構造のものを使用する必要があります。この記述は技術的に正しいといえます。 ・選択肢ハ:先述の通り、バスダクトの接地は必須です。200Vであっても、接触防護措置を施したという理由だけで接地を省略することはできません。これが誤りとなります。 ・選択肢ニ:バスダクトの支持点間距離については、原則として3m以下と規定されています。問題文の2mという距離は規定内(3m以下)であるため、適切です。
現場で求められる安全基準の理解
この問題の教育的な意図は、設備ごとの接地ルールを正しく峻別できるかを確認することにあります。電気設備技術基準では、一般の機械器具の外箱と、配線用の金属製ダクトやバスダクトとでは、接地に関する考え方に微妙な差異があります。
特に実務においてバスダクトを設計・施工する場合、接地線はバスダクトの金属製外箱に確実に接続しなければなりません。接触防護措置を講じているからといって接地を省略できると誤解していると、重大な感電事故につながるリスクがあるため、試験を通じて「バスダクトの接地は省略不可」という基本を定着させることが重要です。