平成27年度 筆記試験 問33 解説 受電設備機器の名称
図中の番号(3)で示す機器の名称はどれか。
- イ. 変流器 ✓ 正答
- ロ. 計器用変圧器
- ハ. 変圧器
- ニ. 零相変流器
解説
PF・S形とは、高圧限流ヒューズ(Power Fuse)と高圧交流負荷開閉器(Switch)を組み合わせた主遮断装置のことです。この問題は、PF・S形を構成する部品を正しく理解しているかを問うものです。PF・S形には「過電流ロック機能」という装置は存在しないため、これが正解となります。
PF・S形の役割と構造
PF・S形は、主に受電設備の保護や開閉を行うための装置です。その構造は名前の通り、「高圧限流ヒューズ(PF)」と「高圧交流負荷開閉器(S)」がセットになっています。
それぞれの役割は以下の通りです。
- 高圧限流ヒューズ(PF):短絡事故などの過大な電流が流れた際に、電流を遮断し、電路を保護します。
- 高圧交流負荷開閉器(S):負荷電流の開閉を行います。
この2つを組み合わせることで、負荷電流の開閉(開閉器の役割)と、短絡事故時の遮断(ヒューズの役割)の両方を一台でこなせるようになっています。
ストライカと絶縁バリアの重要性
選択肢にある「ストライカ」や「絶縁バリア」は、PF・S形を安全に動作させるために不可欠な要素です。
ストライカとは、ヒューズが溶断した際に飛び出すピンのような機構です。ヒューズが切れたとき、このストライカが飛び出すことで、機械的に負荷開閉器を連動して開放させます。これによって単相運転(欠相状態)を防止し、回路全体を安全に遮断します。
また、絶縁バリアは、機器間での短絡やアーク放電を防ぐための仕切りです。高圧を取り扱う機器において、安全な絶縁距離を確保し、事故を未然に防ぐために重要です。
機器選定における判断基準
試験でこの種の問題が出題される理由は、実務において主遮断装置の構成要素を正しく理解し、保守・点検や機器選定を誤らないようにするためです。
PF・S形は、高価な遮断器(VCB等)に比べて経済的であるため、小規模な受電設備で広く採用されています。設計者は、ヒューズの溶断と開閉器の連動の仕組み(ストライカによる連動)、そして絶縁性能(バリアによる保護)がセットで安全を担保していることを理解しておく必要があります。
一方で、過電流ロック機能などは遮断器(サーキットブレーカ)側の制御要素であり、PFと開閉器の組み合わせであるPF・S形の基本構成には含まれません。このように、装置の動作原理(ヒューズ溶断という物理的な現象を機械的な連動へ変換している点)に着目することで、消去法を用いずとも正誤が判断できるようになります。