平成27年度 筆記試験 問34 解説 受電設備機器の名称
図中の番号(4)で示す機器の名称はどれか。
- イ. 断路器
- ロ. 高圧交流負荷開閉器
- ハ. 高圧遮断器 ✓ 正答
- ニ. 高圧カットアウト
解説
この問題は、可とう導体の役割を正しく理解していれば即座に正解できる知識問題です。可とう導体とは、その名の通り「柔軟性(可とう性)のある導体」であり、主な目的は物理的な応力の緩和です。短絡電流を制限する「限流」機能はないため、その旨を述べている選択肢ハが不適切であると判断します。
可とう導体の役割と機械的保護
可とう導体(フレキシブル導体)は、銅板を積層したり網状に編み込んだりして、電気的接続を維持しながらも自由に変形できるようにした部材です。電気設備において、機器同士を剛性のある銅帯(ブスバー)だけで完全に固定してしまうと、熱膨張による伸縮や、変圧器などの振動、あるいは地震などの外力が加わった際に、接続点や機器のブッシング(碍子)に無理な力がかかり、破損の原因となります。
可とう導体を間に挟むことで、これらの動きを柔軟に吸収し、機械的な応力が機器本体に直接伝わらないように保護しています。つまり、可とう導体の目的は「応力吸収」であり「電気的な保護(短絡遮断や電流制限)」ではありません。
不適切の根拠を見抜く思考プロセス
選択肢ハにある「限流作用」という言葉に注目してください。限流作用とは、短絡電流の立ち上がりを抑え、ピーク値を下げる機能のことであり、主にヒューズや限流リアクトルなどが持つ性質です。
可とう導体はただの柔軟な電線(導体)に過ぎず、インピーダンスを大幅に高めて短絡電流を抑制するような設計にはなっていません。したがって、「短絡等の過電流によって機器の損傷を防止する」という説明は、可とう導体の役割を誤って解釈しています。他の選択肢(イ、ロ、ニ)はすべて「物理的な損傷防止」「地震対策」「振動対策」という、可とう導体の本来の用途を適切に説明しているため、これらを正しい知識として整理しておくと、消去法でも正解にたどり着くことができます。
実務現場における可とう導体の位置づけ
実務において、この知識は機器の据付計画で重要になります。例えば、受変電設備において、油入変圧器や乾式変圧器などの振動源となる機器と、固定された母線との間を接続する際には、必ずといっていいほど可とう導体が使用されます。
もし設計の段階で「ここは短絡電流が大きいから可とう導体で保護しよう」という誤った認識で選定を行うと、本来必要な保護装置(遮断器や限流ヒューズ)の選定がおろそかになり、事故時の被害を拡大させる恐れがあります。試験においてこの問題が出題される意図は、機械的な保護部材と電気的な保護装置の役割を混同しないようにという、現場での安全意識を問うものといえます。