平成24年度 筆記試験 問47 解説 高圧絶縁電線の構造
⑦で示す高圧絶縁電線(KIP)の構造は。
- イ. ✓ 正答
- ロ.
- ハ.
- ニ.
解説
KIP(6.6kV架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル)を選択するには、名称に含まれる「架橋ポリエチレン(絶縁体)」と「ビニル(シース)」の2つのキーワードを断面図から探すことが最も確実な判断根拠です。
KIPの構成要素を読み解く
KIPは名前の中にその構造が凝縮されています。「K」は架橋ポリエチレン(Cross-linked polyethylene)を、「I」は絶縁(Insulation)を、「P」はビニル(Polyvinyl chloride)シースを示しています。
図の中で「架橋ポリエチレン」と「ビニルシース」の両方が記載されているものを選べばよいわけです。イには「EPゴム」、ハには「銅遮へいテープ」などの遮へい層が含まれており、これらはKIPの構造とは異なります。ロだけが、導体、セパレータ、架橋ポリエチレン、ビニルシースという順序で正しく構成されています。
構造から見えてくる特性
KIPは、その構造上、遮へい層(金属テープなど)を持たない無遮へい高圧絶縁電線です。このため、ケーブルの直径を小さく抑えることができ、狭い場所での配線に適しています。ただし、遮へい層がない分、誘電体損や静電誘導の観点から長距離の幹線や高圧の送電には用いられず、主に高圧受変電設備の二次側や、比較的短い距離の配線に限定して使用されます。
試験対策としては、単に名称を覚えるだけでなく、なぜその構造をしているのかを考えるのが重要です。例えば、イの図にあるEPゴムは、耐熱性や耐コロナ性に優れるCVTケーブルなどに使われる材料であり、ハの図のように銅遮へいがあるものは高圧ケーブルの標準的な構造(CVなど)であることを対比させると、記憶が定着しやすくなります。
現場での判断と重要性
実務において、現場でケーブルを識別することは施工ミスを防ぐための第一歩です。図面上でKIPが指定されている場所に、誤って高圧用遮へい付きケーブルを選定してしまうと、施工の容易性や配管の太さの問題が発生します。また、逆に遮へいが必要な回路にKIPを使用してしまうと、ノイズ対策や異常電圧への耐性が不十分となり、重大な事故につながる恐れがあります。
このように、断面図を見て「層」の種類と役割を判断する能力は、電気設備がどのような環境を想定して設計されているかを読み取る力そのものと言えます。名称と構造をセットで理解しておくことは、試験合格のみならず、現場の設計意図を正しく把握するスキルとして役立ちます。