第一種電気工事士試験 / 平成24年度 筆記試験 / 問32
certification-simodake-work

平成24年度 筆記試験 問32 解説 高圧受電設備図

設問図

問30から問34までは、下の図に関する問いである。 図は、自家用電気工作物(500〔kW〕未満)の高圧受電設備及び動力設備の一部を表した図並びに高圧架空引込線の見取図である。 この図に関する各問いには、4通りの答え(イ、ロ、ハ、ニ)が書いてある。それぞれの問いに対して、答えを一つ選びなさい。 〔注〕図において、問いに直接関係のない部分等は、省略又は簡略化してある。

  1. ✓ 正答

解説

この問題は、受電設備における機器の配置図を見て、その役割と名称を特定するものです。図中に描かれた記号や配置から、該当機器が受電点直後の「電力需給用」であることを見抜くのがポイントです。

電力需給用計器用変成器(VCT)を見分けるポイント

図中の(3)で示された機器は、高圧受電設備において受電点付近に設置されています。この位置にある理由は、電力会社との受電契約に基づき、消費電力量を正確に測定するためです。

高圧回路の電圧や電流は非常に大きいため、そのままでは電力量計で直接測定することができません。そこで、以下の変成器の機能を一つにまとめた「電力需給用計器用変成器(VCT:Voltage Current Transformer)」を使用します。

  • 変流器(CT):大電流を計器に適した小さい電流に変換する
  • 計器用変圧器(VTまたはPT):高電圧を計器に適した低い電圧に変換する

選択肢にある「変流器(CT)」や「計器用変圧器(VT)」は個別の機器名ですが、図中の(3)の位置にあるものは、これら二つの機能を一体化したVCTを指しています。したがって、最も適切な名称は「電力需給用計器用変成器」となります。

機器選定の思考プロセス

試験会場で迷わないための判断手順は以下の通りです。

  1. 設置場所を確認する:受電点(引込口)に近い場所に設置されているか。電力の測定は契約の入り口で行う必要があるため、受電設備の中では常に最も上流側に配置されます。
  2. 回路図の構成を見る:図面内で電力供給ラインの最上流、かつ電力量計へ繋がる配線が考慮されている場所を探します。
  3. 選択肢との照合:単独のCTやVTであれば制御盤内や各相に分散して描かれることが多いですが、VCTは受電盤の中でひとまとまりの箱として記載されることが一般的です。今回のように「受電点直後で、電力量をカウントするための集合体」として認識しましょう。

現場で求められる知識の構造

この知識は、単なる暗記以上に「電気の売買」という契約上の責任境界点を理解しているかという点で重要です。

高圧受電設備において、電力会社から供給される電気の「入り口」で正確に計量を行うことは、電気料金の適正な徴収に直結します。現場実務においても、VCTは定期的な検定が必要な「計量法」に関わる重要な保安機器です。また、メンテナンスの際にも、この機器には高電圧がかかっているため、安易に触れてはならない、あるいは停電作業時には確実な電圧確認が必須となるなど、安全管理上の優先順位が非常に高い機器として扱われます。

図面を読み解く際は、機器の役割を「保護用(過電流などを検知)」なのか「計測用(数値を把握)」なのか、そして「単機能」なのか「多機能一体型」なのかに分類する視点を持つと、試験対策だけでなく実務での構成図理解もスムーズになります。

参考リンク

学習の記録にははてなブックマーク!

気づいたこと・覚えたことをコメントにメモしよう