第一種電気工事士試験 / 平成24年度 筆記試験 / 問30
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平成24年度 筆記試験 問30 解説 高圧受電設備図

設問図

問30から問34までは、下の図に関する問いである。 図は、自家用電気工作物(500〔kW〕未満)の高圧受電設備及び動力設備の一部を表した図並びに高圧架空引込線の見取図である。 この図に関する各問いには、4通りの答え(イ、ロ、ハ、ニ)が書いてある。それぞれの問いに対して、答えを一つ選びなさい。 〔注〕図において、問いに直接関係のない部分等は、省略又は簡略化してある。

  1. ✓ 正答

解説

問題図に示された「G付PAS」という文字と、電柱上に設置されている位置関係から、これが「高圧交流負荷開閉器」であることを即座に判断します。PASとは、Pre-Arranged Switchの略称であり、日本語では高圧交流負荷開閉器を指します。

高圧交流負荷開閉器(PAS)の役割と構造

PASは、高圧受電設備において、電力会社の配電線から需要家(建物など)への引込口に設置される開閉器です。最大の特徴は、回路の開閉を行うだけでなく、需要家側で地絡事故が発生した際に、それを検知して自動的に回路を遮断し、波及事故を防ぐ機能を持っている点です。

図中に「G付」とあるのは、「地絡(Ground)事故時に動作する保護継電器を備えたPAS」を意味します。通常の負荷開閉器は電流を開閉する能力はありますが、遮断器(CB)のような短絡電流を遮断する大きな能力はありません。しかし、地絡電流は比較的小さいため、PASの遮断能力で十分対応可能です。このため、PASは需要家の保安上、極めて重要な役割を担っています。

図から読み取る配置の意味

この問題を解く際の思考プロセスは、図面全体の構造を理解することから始まります。電力会社から提供された高圧配電線から、まず屋外の電柱にあるPASを経由し、そこから構内の受電室へと引き込まれています。

この「引込口の第一番目にある機器」という位置は、試験問題において非常に重要なヒントです。PASは、万が一の事故が発生した際、電力会社側の配電線に影響を及ぼさないよう、需要家の設備を切り離すための「保安の境界」としての役割を果たしているため、この場所に設置されることがルール化されています。

電気工事士としての実務的な価値

第一種電気工事士が現場でこの機器を扱う際、PASの知識は単なる試験対策を超えて重要になります。特に高圧受電設備の設計や保守点検を行う場合、PASの設置義務やその機能(地絡保護協調)を理解していなければ、適切な保護設計ができません。

また、もしPASにヒューズが内蔵されているタイプであれば、短絡事故時にも対応できるものとして選定する必要があります。試験問題で問われているのは、単なる名称の暗記だけでなく、受電設備における電力の流れと、異常時の保護の仕組みを理解しているかという点にあります。この構成を頭に入れておくことで、実際の図面読み取りや、現場での機器選定能力が飛躍的に向上します。

参考リンク

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