平成24年度 筆記試験 問29 解説 金属管の接地工事
人が触れるおそれのある場所で使用電圧が 400〔V〕の低圧屋内配線において、CV ケー ブルを金属管に収めて施設した。金属管に施 す接地工事の種類は。 ただし、接触防護措置を施していないもの とする。
- イ. A種接地工事
- ロ. B種接地工事
- ハ. C種接地工事 ✓ 正答
- ニ. D種接地工事
解説
接地工事の種類を判別する3つのステップ
この問題を解くためには、まず「電圧の区分」を確認し、次に「接触防護措置の有無」を確認し、最後に「接地工事の種類」を導き出すという3ステップで考えます。
今回の条件を当てはめると、以下のようになります。
- 電圧の確認:400V(300Vを超える低圧)
- 接触防護措置:施されていない
- 結論:C種接地工事が必要
低圧屋内配線の接地工事における判断基準
電気設備技術基準では、金属管や機器の金属製外箱に施す接地工事の種類は、主に「使用電圧」と「接触防護措置の有無」によって決まります。
まず、低圧の区分を「300V以下」と「300Vを超える(400Vを含む)」の2つで考えます。300V以下の場合は、原則としてD種接地工事となりますが、300Vを超える場合は、より安全性を高めるためにC種接地工事が要求されます。
ここで重要になるのが「接触防護措置」です。これは、人が容易に触れるおそれのある場所において、絶縁性能が損なわれた際に感電するリスクを抑えるための措置です。この措置が適切に施されていれば、接地工事の種別を緩和(C種からD種へ)できますが、今回は「施されていない」ため、原則通りの厳しい基準が適用されます。
なぜC種接地工事が選ばれるのか
なぜ400Vという電圧が基準の分かれ目になるのか。それは、電圧が高いほど地絡が発生した際の対地電圧が高くなり、人体に対する危険性が増すからです。
C種接地工事は、接地抵抗値が10Ω以下と定められています。一方、D種接地工事は100Ω以下です(条件により緩和あり)。接地抵抗値が小さいほど、地絡時に金属管の電位が上がりにくく、万が一の漏電時でも、その金属管に触れた人が感電する電圧を低く抑えることができます。
試験問題の背景には、「電圧区分」と「防護措置の有無」という2つのパラメータを正しく理解しているかを問う意図があります。実務においては、工場の動力設備など400V系の機器を扱う機会が非常に多いため、この「400V超・接触防護なし・C種」という組み合わせは、図面作成や現場監理において基本中の基本となる知識です。
知識の整理:接地工事種別
今回の条件を軸に、記憶を整理しておきましょう。
- 300V以下:原則D種接地工事
- 300V超:原則C種接地工事
- ただし、接触防護措置を施すなど安全性が確保されている場合は、C種からD種へ緩和できる。
この原則を覚えておけば、本番で設定条件が変わったとしても、落ち着いて判断を下すことができます。