平成22年度 筆記試験 問26 解説 工具の名称
下記の写真に示す工具の名称は。
- イ. トルクレンチ
- ロ. ワイヤストリッパ
- ハ. ケーブルジャッキ
- ニ. 張線器 ✓ 正答
解説
この問題は、写真に写っている機械的な構造(レバー、ラチェット、牽引用の紐やフック)を見て、架空配線作業で電線を引っ張るための道具であると特定することで正解できます。
工具の識別と判別ポイント
写真の工具は、レバーを上下に動かすことでワイヤやロープを巻き上げ、大きな張力をかけることができる張線器(ちょうせんき)です。
選択肢にある他の工具との違いは以下の通りです。
トルクレンチは、ボルトやナットを規定の力(トルク)で締め付けるための測定工具です。形が全く異なります。 ワイヤストリッパは、電線の被覆を剥ぎ取るためのハンドツールであり、比較的小さくペンチのような形状をしています。 ケーブルジャッキは、重いドラムに巻かれたケーブルを引き出す際に、ドラムを浮かせて回転させるための台座です。これも形状が全く異なります。
この工具は、レバーホイストの原理を利用しており、電柱間を渡る電線に適切な弛みを持たせつつ、ピンと張るための必須ツールです。
現場で求められる工具の知識
第一種電気工事士の試験において工具の問題が出題されるのは、単なる名称の暗記を求めているわけではありません。実際の工事現場において、どの工程でどのような安全装置や作業用具が必要になるかを理解しているかを確認するためです。
張線器は、架空配線において非常に高い荷重を扱います。もし使用方法を誤れば、電線が跳ね返ったり、固定箇所が外れたりして重大な労働災害につながる恐れがあります。そのため、工事従事者には「この形状を見れば何に使い、どれくらいの負荷を扱える道具なのか」という直感的な理解が求められます。試験対策としては、単に写真と名前をセットで覚えるだけでなく、それが「電線を引っ張るもの」なのか「締めるもの」なのか「測るもの」なのかという用途で分類しておくと、類似した見た目の工具が出題されても惑わされなくなります。
また、張線器を使う際には、電線を把持するための「カムラー(シメラー)」と呼ばれる専用の把持具と組み合わせて使用することが一般的です。併せて知識として整理しておくと、より実践的な理解に繋がります。