第四級アマチュア無線技士 CBT試験問題例題(工学 No.3) 問17 解説 クラリファイヤ
SSB(J3E)受信機において、クラリファイヤ(またはRIT)を設ける目的は、次のうちどれか。
- 1. 受信信号の明りょう度を良くする。 ✓ 正答
- 2. 受信強度の変動を防止する。
- 3. 受信周波数目盛を校正する。
- 4. 受信雑音を軽減する。
解説
この問題は、クラリファイヤ(RIT)という機能が「受信専用の微調整機能である」という一点を覚えているだけで即答できます。SSB通信において、相手の声が低すぎたり高すぎたりして聞き取りにくいときに使う調整つまみ、とイメージできれば正解の選択肢に直結します。
クラリファイヤ(RIT)が果たす役割
クラリファイヤとは、Receiver Incremental Tuningの略称です。その名の通り、受信(Receiver)の周波数を微小(Incremental)に調整(Tuning)する機能です。
SSB(J3E)は音声信号を送信する方式ですが、受信側で周波数がわずかでもずれると、再生される音声の高さ(ピッチ)が大きく変化してしまいます。例えば、相手の声がまるで別人のように低くなったり、甲高くなったりして何を言っているのか判別できない状態になります。このとき、クラリファイヤを回して受信周波数を微調整し、最も自然で聞き取りやすい音質(明りょう度)に戻すのです。
受信周波数のみを変えるメリット
この機能の重要なポイントは、送信周波数には影響を与えないという点です。もし無線機のメインダイヤルを回して受信周波数を調整してしまうと、送信周波数まで一緒に変わってしまい、相手との交信が成立しなくなってしまいます。「相手の電波は少しずれているけれど、自分の送信周波数は変えたくない」という、実戦的な交信状況で非常に役立つ機能です。
試験問題としては、混同しやすい機能との区別が問われます。 ・受信周波数だけを調整するもの=クラリファイヤ(RIT) ・送信周波数と受信周波数を連動させるもの=メインダイヤル(周波数設定) ・雑音を減らすもの=ノイズブランカーやノイズリダクション ・周波数のズレを補正するもの=クラリファイヤ
このように機能ごとの目的を整理しておくと、他の選択肢に惑わされなくなります。
実運用における重要性
実際の無線運用では、相手局が経年劣化や温度変化などでわずかに周波数がずれていることは珍しくありません。特にSSB通信は周波数が数ヘルツずれるだけで音が変わってしまうため、クラリファイヤは交信のたびに触るほど使用頻度の高い機能です。
この問題を学ぶ意図は、単なる機器の操作知識だけでなく、「通信の品質を自分でコントロールする技術」を理解することにあります。電波を受信するだけでなく、いかに聞き取りやすい状態で復調するかという点は、アマチュア無線におけるオペレーションの基本といえるでしょう。