第四級アマチュア無線技士 CBT試験問題例題(工学 No.3) 問15 解説 SSB波発生回路
図に示すSSB(J3E)波を発生させるための回路の構成において、出力に現れる周波数は、次のうちどれか。
- 1. 1,503.5〔kHz〕
- 2. 1,505.0〔kHz〕
- 3. 1,508.0〔kHz〕 ✓ 正答
- 4. 1,509.5〔kHz〕
解説
この問題は、平衡変調器で生成される「和と差の周波数」を計算し、フィルターの特性に合わせてどちらか一方を選ぶことで解くことができます。
計算手順は以下の通りです。
- 搬送波 〔kHz〕と信号波 〔kHz〕の和と差を求めます。 和: 〔kHz〕 差: 〔kHz〕
- 問題文にある「上側波帯(USB)通過用」の帯域フィルターは、周波数の高い方(和)を通過させます。
- したがって、答えは 〔kHz〕となります。
平衡変調器と側波帯の仕組み
平衡変調器とは、入力された搬送波(高周波)と信号波(音声などの低周波)を混ぜ合わせる回路です。このとき、出力には元の搬送波を打ち消した状態で、両者の和の周波数()と差の周波数()が現れます。これらは搬送波を挟んで上下に並ぶため「側波帯」と呼ばれます。
高い周波数側の成分を「上側波帯(USB:Upper Side Band)」、低い周波数側の成分を「下側波帯(LSB:Lower Side Band)」と呼びます。
フィルターによる選択
無線送信機では、電力効率を上げたり、電波の占有帯域幅を狭くしたりするために、不要な側波帯を取り除く必要があります。ここで登場するのが「帯域フィルター」です。
今回のように「上側波帯通過用」のフィルターを使用すると、下の周波数成分()はカットされ、上の周波数成分()だけが取り出されます。もし「下側波帯通過用」であれば、計算結果の差の方( 〔kHz〕)が正解となります。
無線工学におけるこの知識の役割
この計算は、実際の無線機を設計・運用する際に非常に重要です。例えば、自分がどの周波数で電波を出しているのかを正確に把握することは、混信を防ぎ、相手局と正しく通信するために不可欠な基礎知識です。
また、SSB(J3E)はアマチュア無線の電話通信で最も一般的に使われる方式です。この仕組みを理解しておくことで、無線機の周波数表示と実際の送信周波数の関係が直感的にわかるようになり、トラブルシューティングや運用の幅が大きく広がります。試験問題としては単純な計算に見えますが、実際の電波送信の「入り口」を理解するための非常に教育的な問題といえます。