令和7年度 下期 学科試験 問18 解説 回路計(テスタ)の使用法
アナログ方式の回路計(テスタ)を用いて密閉型ヒューズ単体の断線を確かめるには、どの測定レンジを使用すればよいか。次のうちから選べ。
- 1. OHMS ✓ 正答
- 2. DC MILLI AMPERES
- 3. DC VOLTS
- 4. AC VOLTS
解説
回路計(テスタ)でヒューズの断線を調べるには、抵抗測定機能であるOHMSレンジを選択します。テスタから微弱な電流を流し、その通りやすさを測定することで回路が繋がっているか(導通しているか)を確認するためです。
導通テストの原理と仕組み
電気回路が断線しているかどうかを調べることを導通確認と呼びます。ヒューズは正常であれば電気を通す金属線ですが、過電流が流れると溶けて切れる仕組みになっています。
テスタのOHMS(抵抗)レンジは、テスタ内部の電池から測定端子に電流を流し、戻ってきた電流の大きさを測る機能です。ヒューズが繋がっている(正常な)場合は電流が流れるため、テスタの指針は0オームに近い位置を指します。一方、ヒューズが切れている場合は回路が遮断され、どこまでいっても電流が流れないため、テスタの指針は無限大(表示器によってはOLなど)を示します。この指針の変化によって、目視では分かりにくい内部の断線を判定します。
測定レンジを選ぶための論理
テスタには電圧、電流、抵抗を測る複数のレンジがありますが、目的によって使い分けます。
DC VOLTSやAC VOLTSは、外部から供給されている電圧を測るためのレンジです。もしこれらを使ってヒューズを測ろうとすると、テスタに電圧がかかってしまい、誤った測定値が出るだけでなく、最悪の場合テスタを破損させる恐れがあります。また、DC MILLI AMPERESは、回路に流れている電流を測るためのレンジであり、これも通電していないヒューズの断線確認には適していません。
導通確認の本質は「回路のつながりを確認すること」にあるため、電気的な抵抗値を測るOHMSレンジが唯一の正解となります。
実務における安全性とテスタの役割
第三級海上特殊無線技士の現場においても、無線機のヒューズが切れて電源が入らないといったトラブルはよく起こります。このとき、単に電圧を測るだけでは電源側が生きているのか、ヒューズが原因なのかを切り分けることができません。
実際の点検作業では、まずヒューズを回路から取り外し、OHMSレンジで導通を確認するのが基本手順です。この試験問題は、測定器の適切な使用方法を知るだけでなく、トラブルシューティングにおける論理的な切り分け能力を問うており、故障個所を特定するための必須知識といえます。テスタを正しく扱えることは、無線機を安全かつ適切に運用し、緊急時に迅速な対応をとるための基本的なスキルです。