令和7年度 下期 学科試験 問17 解説 整流回路
図に示す整流回路の名称とa点に現れる整流電圧の極性との組合せで、正しいのはどれか。次のうちから選べ。
- 1. 半波整流回路 正
- 2. 半波整流回路 負
- 3. 全波整流回路 負
- 4. 全波整流回路 正 ✓ 正答
解説
この問題は、図の回路構成から「全波整流であること」を見抜き、ダイオードの向きから「a点の極性が正であること」を判断するだけで解答できます。
回路構成と整流方式の判別
図を見ると、トランス(変圧器)の二次側にセンタータップがあり、その上下にダイオードが接続されています。このように、トランスの中点を利用して交流のプラス側とマイナス側の両方を有効に活用して直流に変換する回路を全波整流回路と呼びます。
もしダイオードが1つだけであれば「半波整流回路」となりますが、本問は2つのダイオードが対称に配置されているため、全波整流であると即座に判断できます。これにより、選択肢は3か4に絞られます。
ダイオードの向きと極性の決定
次に、a点の極性を確認します。ダイオードには「アノードからカソードへ電流を流す」という一方向の性質があります。図中のダイオードの記号において、三角形の頂点側(カソード)がa点に向かっています。
電流はダイオードの先から出ていく方向になるため、a点には常にプラス側(正)の電圧が現れることになります。もしダイオードの向きが逆であれば、a点には負の電圧が現れることになります。したがって、図のような向きであれば「正」の極性となります。
なぜこの知識が必要なのか
無線機器や電子回路の電源部において、コンセントから供給される交流を直流に変換することは不可欠です。全波整流回路は、半波整流回路と比較して以下の利点があるため、実際の電源回路で頻繁に用いられます。
- 入力された交流の全サイクルを有効に利用できるため、効率が良い。
- リップル(脈流)の周波数が入力交流の2倍になるため、平滑回路(コンデンサなど)で直流に近い状態へ変換しやすい。
試験においても、電源回路の基本的な仕組みを理解しておくことは、機器の故障診断や回路図を読み解く力の基礎となります。この問題は、単に名称を覚えるだけでなく、図記号から電流の流れる方向を推測する論理的な思考力を問うています。