第三級海上特殊無線技士 / 第二級海上特殊無線技士 試験問題例題 / 各問題解説 / 問4
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第二級海上特殊無線技士 試験問題例題 問4 解説 遭難通信の記録

無線局の免許人は、その船舶局が遭難通信を行った ときは、どうしなければならないか。次のうちから選 べ。

  1. 1 総務省令で定める手続により、総務大臣に報告 する。
  2. 2 その通信の記録を作成し、1年間これを保存す る。 ✓ 正答
  3. 3 船舶の所有者に通報する。
  4. 4 速やかに海上保安庁の海岸局に通知する。

解説

この問題は、無線従事者として必ず押さえておくべき「遭難通信の事後義務」に関する知識を問うものです。結論から述べると、遭難通信を行った際には「通信記録の作成」と「1年間の保存」が法律で義務付けられていると暗記しておくことが、最も確実な解き方です。

なぜ記録を保存しなければならないのか

無線局には、業務の内容や時間を記録する「無線業務日誌」を記載する義務があります。通常は、航海中や通信を行った際に適宜記載しますが、特に「遭難通信」という極めて重大な事象が発生した場合、その通信内容の正確な記録は、後の原因究明や法的責任の判断において非常に重要な資料となります。

法律(電波法関係規則)では、この記録を消去したり紛失したりすることを防ぐため、作成した通信記録を1年間保存することが義務付けられています。これは、個人の判断ではなく、免許人(船舶の所有者や運用者)に対して課せられた厳格なルールです。

誤った選択肢をどう見抜くか

この種の問題では、「総務大臣への報告」や「海上保安庁への通知」といった、もっともらしく聞こえる選択肢がひっかけとして登場します。

・総務大臣への報告:遭難通信という緊急事態において、現場の無線局が真っ先に行うべきは通信の継続や救助の協力であり、事後にいちいち行政報告をすることが第一の義務ではありません。 ・海上保安庁への通知:遭難通信そのものが、海上保安庁をはじめとする救助機関へ向けたもの、あるいはそれを前提としたものです。通信を行った時点で周知はされているため、さらに「通知」という別の法的義務を設ける必要はありません。

このように、試験対策においては「事後に行う事務的な義務は、記録の作成と保管にある」と整理しておくと、迷わずに正解を選べるようになります。

現場で求められる対応の本質

この問題が問うているのは、単なる暗記項目ではありません。船舶で無線機を扱うということは、緊急時には人命に関わる情報を扱うという責任を伴うことを自覚させるのが、この問題の教育的意図です。

もし万が一、遭難通信を行うような場面に遭遇した場合、その場の緊迫したやり取りだけで終わらせてはなりません。後から振り返ったときに、「いつ、誰と、どのような内容で通信し、どのような指示を受けたか」が証明できる状態にしておくことは、救助活動のプロトコルの一部といえます。無線局の免許人や無線従事者は、通信を完了させるだけでなく、その証跡を適切に管理する義務があるというプロ意識が、無線運用の安全性を支えています。

参考リンク

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