第三級海上特殊無線技士 / 令和7年度 下期 学科試験 / 各問題解説 / 問10
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令和7年度 下期 学科試験 問10 解説 機器調整の通信

次の記述は、船舶局の機器の調整のための通信に ついて述べたものである。電波法の規定に照らし、 [ ] 内にいれるべき字句を下の番号から選べ。 海岸局又は船舶局は、他の船舶局から無線設 備の機器の調整のための通信を求められたときは、 [ ]、これに応じなければならない。

  1. 1 支障のない限り ✓ 正答
  2. 2 一切の通信を中止して
  3. 3 責任者の許可を得て
  4. 4 遭難通信を行っている場合を除き

解説

調整通信の基本ルールを覚える

この問題は、電波法における無線局の運用義務に関する知識を問うものです。結論から述べると、機器の調整通信を求められた際は、通信の優先順位や業務上の妨げにならない範囲であれば対応しなければならない、というルールを覚えることが正解への近道です。

機器の調整通信と運用の義務

無線設備は適切に動作しているか確認するため、定期的な調整や試験が必要です。しかし、無制限に調整通信を許可すると、他の重要な通信を妨害してしまう恐れがあります。

電波法では、他の無線局から調整のための通信を求められた際、海岸局や船舶局には「支障のない限り、これに応じなければならない」という義務が課せられています。ここでいう「支障がない」とは、主に以下の状態を指します。

  • 遭難、緊急、安全通信といった、人命や船舶の安全に関わる通信を行っていないこと。
  • 周波数が混雑しておらず、他の通信を阻害しないこと。
  • 自局の本来の業務が中断しても問題ない状態であること。

つまり、調整通信は業務の維持には重要ですが、あくまで「通常業務に影響を与えない範囲で行うもの」という位置づけです。

試験問題としての構造と判断プロセス

試験対策としては、選択肢の内容を検討する際、「極端な制限」か「現実的な運用」かを見極めることが重要です。

・一切の通信を中止して:通信全般を止めることは、緊急時でない限り業務の停止を意味するため不適切です。 ・責任者の許可を得て:内部手続きとしては正しい場合が多いですが、電波法上の直接の義務規定としては「支障のない限り」という条件が優先されます。 ・遭難通信を行っている場合を除き:これは一見正しそうに見えますが、電波法における規定文言としては「支障のない限り」という、より広範な運用配慮を求める表現が正解となります。

この問題の教育的意図は、無線従事者として「自身の局を運用する際、他局への配慮と通信の優先順位を常に意識しているか」を確認することにあります。

実務におけるコミュニケーションの心得

海上での通信は、限られた周波数帯を多くの船舶で共有しています。そのため、機器の調整を行う際は「テスト」や「調整」を意味する通信であることを明確に伝え、短時間で終了させるのがマナーです。

もし試験でこの種の問題が出た場合は、「無線は公共性の高い通信手段であるため、自身の作業よりも周囲の状況(支障がないか)が最優先される」という原則を思い浮かべてください。この考え方は、他の通信規定を学ぶ際にも共通する重要な視点となります。

参考リンク

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