令和6年度 上期 学科試験 問28 解説
「電気工事士法」において,一般電気工作物に係る工事の作業で,a,bともに電気工事士でなければ従事できないものは。
- イ. a:配電盤を造営材に取り付ける。 b:電線管を曲げる。 ✓ 正答
- ロ. a:地中電線用の管を設置する。 b:定格電圧100Vの電力量計を取り付ける。
- ハ. a:電線を支持する柱を設置する。 b:電線管に電線を収める。
- ニ. a:接地極を地面に埋設する。 b:定格電圧125Vの差込み接続器にコードを接続する。
解説
この問題は、電気工事士法で定められている「電気工事士でなければ従事できない作業」と「電気工事士でなくてもよい軽微な作業」を区別できるかがポイントです。
判断の基本は、電気的な接続や配線、機器の固定など、専門的な知識と技能を要するものは電気工事士の資格が必要であり、反対に、単純な組み立てや部品交換などは軽微な作業として除外されることが多いというルールです。
flowchart TD
A[作業内容] --> B{設備を構築・加工する?}
B -- はい --> C[資格が必要]
B -- いいえ --> D{軽微作業に該当?}
D -- はい --> E[資格不要]
D -- いいえ --> Cイが正解となる理由は、配電盤を造営材に取り付ける行為、および電線管を曲げる作業の双方が、電気工事の基本かつ重要な工程であるためです。
電気工事士法における作業範囲の詳細
電気工事士法では、電気工事を「電気工事士でなければ従事してはならない作業」と定義しています。一方で、例外として以下の作業は電気工事士でなくても実施可能です。
軽微な作業の代表例 電気用具の取替えや、簡単な端子接続などが該当します。 ・定格電圧が100V以下の電力量計やヒューズの取り外し・取り付け ・定格電圧が125V以下の差込み接続器(コンセントやプラグ)への接続 ・配線用遮断器の取り付け(電線の接続を伴わないもの) ・インターホンやチャイムなどの小型変圧器(二次電圧36V以下)の二次側配線
電気工事士でなければできない作業 電線の接続、配管の加工、配電盤の設置など、電気設備そのものを構築する作業が該当します。 ・電線管の曲げや切断、組み立て ・ボックスの設置、配電盤の取り付け ・接地工事(接地極の埋設など) ・電線の接続や支持物の設置
選択肢の検討
・ロについて:定格電圧100Vの電力量計の取り付けは、軽微な作業として電気工事士でなくても認められています。 ・ハについて:電線を支持する柱の設置は電気工事の一部ですが、電線管に電線を収める作業は重要である一方、柱の設置は土木的要素も強く判断が分かれそうに見えます。しかし、法律上は電線管の加工や配置の方がより明確に電気工事の専門領域とされています。 ・ニについて:接地極の埋設は電気工事士の作業ですが、125V以下の差込み接続器への接続は、先述の通り軽微な作業に該当するため、電気工事士の資格は必須ではありません。
試験での活用方法
この種の問題は「引っかけ」が非常に多い分野です。特に電圧の数値(100Vや125V)や、電力量計という単語が出てきたら「これは軽微な作業ではないか?」と一度立ち止まって考える習慣をつけましょう。
過去問演習の際は、選択肢を一つずつ分解し、「これは無資格でやっていい作業か、資格が必要か」を自分の言葉で説明できるようにしておくと、類似のひねった問題にも対応できるようになります。特に、接地工事や配管作業といった設備構築に関わるものは、ほぼ例外なく電気工事士の資格が必要であると覚えておくのが確実です。