令和6年度 上期 学科試験 問8 解説
金属管による低圧屋内配線工事で, 管内に直径2.0mmの600Vビニル絶縁電線(軟銅線)4本を収めて施設した場合, 電線1本当たりの許容電流[A]は。ただし, 周囲温度は30℃以下, 電流減少係数は0.63とする。
- イ. 17
- ロ. 22 ✓ 正答
- ハ. 30
- ニ. 35
解説
この問題は、電線の太さと本数から決まる許容電流に、電流減少係数を乗じることで求めます。手順は以下の2ステップです。
- 電線本来の許容電流を確認する(直径2.0mmのIV線は35A)
- 電流減少係数を乗じて補正する(35A × 0.63 = 22.05A)
計算結果の小数点以下を切り捨てて、最も近い値である22Aが正解となります。
許容電流の基本知識
許容電流とは、電線に流してもよい電流の最大値のことです。電線は電流を流すと発熱しますが、許容値を超えると絶縁被覆が熱で溶け、短絡や火災の原因になります。
試験では直径2.0mmの銅線の許容電流値(35A)は暗記しておくべき重要数値です。ちなみに、1.6mmであれば27Aとなります。これらの数値は周囲温度が30度以下という標準的な条件下での値です。
電流減少係数が必要な理由
金属管や合成樹脂管の中に複数の電線を詰め込んで配線すると、電線から発生した熱が外に逃げにくくなり、温度が上昇しやすくなります。熱がこもった状態では、本来の性能(35A)まで電流を流すと被覆が傷んでしまうため、あらかじめ流せる電流の量を制限する必要があります。
この制限の度合いを示すのが電流減少係数です。以下の表のように、管内に収める電線の本数によって係数が変わります。
- 3本以下:係数 0.70
- 4本:係数 0.63
- 5本〜6本:係数 0.56
今回の問題では4本を収めているため、規定通り0.63という係数を使用しました。
注意が必要な問題パターン
試験では「何本の電線を管に入れるか」によって係数が変化する点に注意が必要です。例えば「3本入れる場合」であれば、35Aに0.70を掛けて24.5Aとなります。
また、周囲温度が30度を超える環境下では、さらに温度補正係数を乗じる必要があるケースもありますが、本問のように「周囲温度は30度以下」と指定されている場合は、電流減少係数のみを考慮すれば問題ありません。計算自体は単純な掛け算ですので、電線径ごとの基本電流値と、本数ごとの減少係数をセットで覚えておくと確実に得点できます。