令和6年度 下期 学科試験 問6 解説
図のような単相2線式回路で, c-c'間の電圧が99Vのとき, a-a'間の電圧[V]は。ただし, rは電線の抵抗[Ω]とする。
- イ. 102
- ロ. 103
- ハ. 104
- ニ. 105 ✓ 正答
解説
この問題は、回路の各区間に流れる電流と、電線抵抗による電圧降下を順に足し合わせることで解くことができます。
計算手順は以下の通りです。
- c-c'間に流れる電流はです。この電流はb-c間およびb'-c'間の抵抗を通るため、b-c間(およびb'-c'間)での電圧降下はそれぞれ となります。
- したがって、b-b'間の電圧は、c-c'間の電圧 に、往復の電圧降下()を加えた となります。
- 次に、a-b間およびa'-b'間に流れる電流を求めます。b-b'間には の負荷と の電流がc-c'側へ流れているため、a-b間(およびa'-b'間)には合計 の電流が流れています。
- a-b間(およびa'-b'間)での電圧降下は、それぞれ です。
- 最終的な電源電圧 間は、b-b'間の電圧 に、さらにa-b間およびa'-b'間の電圧降下()を加えた となります。
flowchart LR
C[末端 c-c'<br/>負荷電圧 99V<br/>電流 10A] --> BC[b-c と b'-c' の降下<br/>各 1V]
BC --> B[b-b' = 99 + 1 + 1 = 101V]
B --> AB[a-b と a'-b' は<br/>合計電流20A]
AB --> D[a-b と a'-b' の降下<br/>各 2V]
D --> A[電源 a-a' = 101 + 2 + 2 = 105V]電圧降下とオームの法則
この問題の鍵は、電流が流れる経路を正確に把握することです。電気工事士試験の回路問題では、電線に抵抗があると見なして計算する「電圧降下」が頻出します。
オームの法則 は、個々の抵抗だけでなく、電線そのものの抵抗に対しても適用されます。配線が長くなればなるほど電線の抵抗分が大きくなり、負荷に届く電圧が低くなってしまうことを理解しておきましょう。
回路図の読み解き方
今回の回路のように、複数の負荷が並列に接続されている場合、電源に近い電線ほど多くの電流が流れることに注意が必要です。
- 末端の負荷(c-c'間)へ行く電流は、末端の電線だけを通ります。
- 手前の負荷(b-b'間)へ行く電流は、手前の電線だけを通ります。
- しかし、末端の負荷へ行くための電流は、必然的に「手前の電線」もすべて通過することになります。
このため、図の左側(a-b間)の電線には、右側の負荷分と左側の負荷分の合計電流()が流れるという構造になっています。この電流の分配を見誤らないことが、計算ミスを防ぐ最大のポイントです。試験本番では、各区間に流れる電流値を回路図の空きスペースに書き込みながら計算することをお勧めします。