令和5年度 下期 学科試験(午前) 問17 解説
写真に示す機器の名称は。
- イ. 水銀灯用安定器
- ロ. 変流器
- ハ. ネオン変圧器
- ニ. 低圧進相コンデンサ ✓ 正答
解説
この写真の機器は、銘板に「μF(マイクロファラッド)」という単位や「三相200V」といった記載があることから、低圧進相コンデンサであると判断します。外観の特徴として、箱型の形状からケーブルが一本出ており、感電注意の警告ラベルが貼られている点も重要な識別ポイントです。
低圧進相コンデンサとは、電動機などの誘導負荷によって生じる力率の低下を改善し、配電系統の損失を減らすための機器です。電気回路において、誘導性の負荷(モーターなど)は電流の位相が電圧より遅れる性質を持ちますが、コンデンサを並列に接続して容量性の成分を加えることで、この遅れを打ち消し、力率を改善します。
試験においてこの機器が問われる場面は、主に以下の二通りです。
一つは今回のような写真判定です。選択肢にある他の機器と比較して見分ける力が求められます。 ・水銀灯用安定器:放電灯を点灯させるためのトランスに近い形状で、重厚な金属ケースに入っていることが多いです。 ・変流器(CT):電線を通すための穴(貫通形)が開いている、あるいは端子台が露出しているなど、測定機器に近い外見をしています。 ・ネオン変圧器:高圧を発生させるためのトランスであり、出力端子に高圧電線を取り付けるための特徴的な構造をしています。
もう一つは力率改善の計算問題です。コンデンサの容量を算出する問題が出題されることもあります。例えば、力率を改善するための必要コンデンサ容量 を求める際、以下の公式を活用します。 ここで、 は負荷の消費電力、 は改善前の力率角のタンジェント、 は改善後の力率角のタンジェントです。
実務においては、コンデンサは電源を切った後も電荷が残留しているため、端子間を短絡させて放電させるまで感電の恐れがあります。銘板にある「危険」の表示は、まさにこの残留電荷に対する警告です。試験では機器の名称と外観の一致を確実にし、もし余裕があれば力率改善の計算手順まで押さえておくと、筆記試験での得点源になります。