令和8年度上期 学科試験 問39 解説 電気用品安全法
「電気工事士法」及び「電気用品安全法」 において,正しいものは。
- イ. 交流50Hz用の定格電圧100V,定格消費電力56Wの電気便座は,特定電気用品ではない。
- ロ. 特定電気用品には,(PS)Eと表示されているものがある。
- ハ. 第一種電気工事士が,「電気用品安全法」に基づいた表示のある電気用品を一般用電気工作物の工事に使用した。 ✓ 正答
- ニ. 電気用品のうち,危険及び障害の発生するおそれが少ないものは,特定電気用品である。
解説
この問題は、電気用品安全法のマークの形状と、電気工事士の義務に関する知識を組み合わせることで正解を導き出せます。特に、「特定電気用品は菱形(ひし形)」、「それ以外は丸形」という基本分類を整理し、電気工事士として電気用品を取り扱う際のルールを確認することがポイントです。
電気用品安全法の分類とマークの識別
電気用品安全法では、電気製品の危険度に応じて分類が分かれています。
- 特定電気用品:構造や使用方法からみて危険や障害の発生するおそれが高いもの。菱形のPSEマークが表示されます。
- 特定電気用品以外の電気用品:特定電気用品以外のもの。丸形のPSEマークが表示されます。
選択肢の「イ」は、電気便座は特定電気用品に分類されるため、誤りです。「ロ」については、特定電気用品には菱形のマークが表示されますが、選択肢にある (PS)E という表記は、丸形を指す際によく使われる記法であり、菱形との区別があいまいであるため不適切です。「ニ」は、「危険及び障害の発生するおそれが少ないもの」が特定電気用品であると述べており、定義が逆であるため誤りとなります。
電気工事士が守るべき責任と義務
選択肢「ハ」が正しい理由は、電気工事士法および電気用品安全法の主旨に合致しているからです。電気工事士は、電気工作物の設置や変更工事を行う際、技術基準に適合する材料を使用しなければなりません。
具体的には、電気用品安全法に基づき、適正なPSEマークが表示されている製品を使用することが義務付けられています。これは、工事の施工品質を担保し、利用者の安全を守るための必須の確認事項です。試験対策としては、「電気工事に使用する器具は、PSEマークがついているかを確認する」という実務のフローを暗記するだけでなく、なぜそれが必要なのかを理解しておくことが重要です。
現場で求められる安全の判断力
この問題の教育的な意図は、単なる知識の暗記ではなく、現場での安全意識を問うことにあります。電気工事士は、材料を調達する際や現場で取り付ける際に、その製品が「法的に認められた品質を満たしているか」を常に監視する立場にあります。
例えば、無資格の人が施工する場合、安価な非適合品を使用して事故を招くリスクがありますが、第一種電気工事士はそのプロとして、材料の選定段階から法律を守るフィルターとしての役割が期待されています。この問題を通じて、電気用品安全法が単なる「マークの種類」の話ではなく、事故を未然に防ぐ「技術者としての防波堤」であることを意識してください。