第一種電気工事士試験 / 令和8年度上期 学科試験 / 問33
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令和8年度上期 学科試験 問33 解説 高圧受電設備の機器

設問図

問30から問34までは,下の図に関する問いである。 図は,自家用電気工作物構内の高圧受電設備及び低圧動力設備を表した図である。 この図に関する各問いには,4通りの答え(イ,ロ,ハ,ニ)が書いてある。それぞれの問いに対して,答えを1つ選びなさい。 〔注〕図において,問いに直接関係のない部分等は,省略又は簡略化してある。

  1. ✓ 正答

解説

バスダクトの水平支持間隔は、電気設備技術基準の解釈において3m以下と定められています。選択肢ロの「5m」という数値は、この規定の基準を超えているため不適切であると判断できます。

バスダクト工事における施工基準の要点

バスダクト工事を安全に行うためには、機械的な強度と電気的な安全性の両面から基準が設けられています。主な基準は以下の通りです。

  1. 支持点間の距離 横に這わせる(水平に施設する)場合は、支持点間の距離を3m以下にする必要があります。ただし、縦に施設する場合(垂直に施設する場合)は、自重が支持部にかかりやすいため、特例として6m以下まで緩和されます。

  2. 接地工事 使用電圧が300V以下の低圧バスダクト(今回の図にある210Vなど)には、D種接地工事を施す必要があります。もし300Vを超える場合はC種接地工事が必要になります。

  3. 設置場所と環境条件 バスダクトは原則として「展開した場所」かつ「乾燥した場所」に施設します。また、内部にゴミやほこりがたまると絶縁不良や短絡の原因となるため、換気型のものを除き、じんあいが侵入しにくい構造にしなければなりません。

なぜ支持間隔が厳しく制限されているのか

バスダクトは、金属製の筐体の中に大きな断面を持つ導体が収められた構造物です。そのため、電線管などと比較して重量が非常に重くなります。

支持間隔が広すぎると、ダクト自体の重みでたわみが生じ、接続部に無理な力がかかって破損する恐れがあります。また、電気工事において重要なのが「電磁力」への対策です。大電流が流れるバスダクトでは、事故時に導体どうしが反発し合う非常に強い力が働きます。支持が不十分だと、この衝撃によってダクトが変形したり脱落したりする危険があるため、3mという短い間隔での固定が求められているのです。

各選択肢の妥当性を検証する

選択肢の正誤を判断する思考プロセスは以下のようになります。

イ. 接地工事について 図面を確認すると、低圧動力盤への供給電圧は210Vです。300V以下の機器への接地なので、D種接地工事を施すのは正しい施工です。

ロ. 支持間隔について 水平支持の間隔は3m以下という数値が絶対的なルールです。5mではダクトの自重や不測の事態に耐えられないとみなされ、法規違反となります。この選択肢が不適切です。

ハ. 施設場所について バスダクトは点検が容易な展開した場所(天井裏でない露出した場所など)で、かつ湿気のない乾燥した場所に設置するのが基本です。この記述は適切です。

ニ. じんあいの侵入防止について 内部の導体を保護し、トラッキング現象などの事故を防ぐため、密閉性を確保するのは標準的な施工手順です。この記述も適切です。

実務においても、バスダクトはビルや工場の幹線として重要な役割を果たします。一度設置すると長期間使用されるため、特に物理的な固定基準である支持間隔は、施工品質を担保する上で最も注意すべき数値の一つと言えます。

参考リンク

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