令和7年度 上期 第一種 学科試験 (出題例) 問50 解説 インターロック機器
⑩で示す機器とインターロックを施す 機器は。 ただし,非常用予備電源と常用電源を 電気的に接続しないものとする。
- イ.
- ロ.
- ハ. ✓ 正答
- ニ.
解説
この問題は、単線結線図において「常用電源」と「非常用予備電源」を切り替える際に、両者が混触・並列運転することを防ぐ「インターロック(連動解除・禁止)」の仕組みを理解しているかを問うものです。正解を導くためには、対象となる遮断器や断路器が回路のどこに配置されているかを特定し、電源側との関係性を読み解く必要があります。
インターロックの役割と必要性
電気設備におけるインターロックとは、ある機器の状態に応じて別の機器の動作を制限し、事故を防止する仕組みです。特に非常用予備電源(発電機など)を持つ受電設備では、停電時に常用電源側へ電気が逆流したり、復旧時に常用電源と予備電源が同時に接続されて短絡事故が発生したりすることを防ぐために不可欠です。
この問題では、常用電源の遮断器(あるいは受電遮断器)と、非常用予備電源の遮断器の双方を監視し、一方が「入」のときはもう一方が「切」になるような電気的、あるいは機械的な制限をかける箇所を特定します。
思考プロセス:回路図からの読み取り
- 機器の特定:まずは図中の⑩で示されている機器が、常用電源の遮断器なのか、予備電源側の切り替え用遮断器なのかを判別します。
- 電源の切り離しを確認:問題文にある「電気的に接続しないものとする」という制約は、両電源の並列投入禁止を指しています。
- 接続点を探す:受電設備図において、二つの電源系統が合流する母線や回路の前後関係を確認します。通常、これら二つの系統を切り替える役割を持つ機器(例えば常用側の遮断器と予備側の遮断器)が互いにインターロック対象となります。
- 選択肢の照合:図中で該当する機器番号と対になる機器を選択肢の中から選びます。
実務における重要性
この知識は、実際に受変電設備の設計や保守点検を行う際、最も重要な安全対策の一つです。もし適切なインターロックが施されていないと、次のような深刻なトラブルに繋がります。
- 逆流による災害:常用電源が復旧した際、発電機側へ電気が逆流し、発電機を破損させる、あるいは作業員が感電する恐れがあります。
- 短絡事故:位相や電圧が異なる二つの電源が接続されると、大きな循環電流が流れ、保護継電器が作動して全停電を引き起こす可能性があります。
第一種電気工事士の試験では、こうした「単なる知識の暗記」ではなく、「この機器はどのような安全上の理由で設置されているのか」という系統図の背景にある設計意図を理解していることが合格への鍵となります。