令和7年度 上期 第一種 学科試験 (出題例) 問43 解説 機器の文字記号
③で示す機器の文字記号(略号)は。
- イ. VTT
- ロ. VCT ✓ 正答
- ハ. MCB
- ニ. VCB
解説
記号の組み合わせから正解を導く
単線結線図において、計器用変成器(VT)と変流器(CT)が一体化した機器を示す文字記号はVCTです。VT(Voltage Transformer)の頭文字とCT(Current Transformer)の頭文字を組み合わせたもの、と捉えるのが最も確実な判断根拠となります。
計器用変成器の役割と構造
受電設備において、高電圧や大電流を直接計測することは計器の許容範囲を超えてしまうため不可能です。そのため、電圧と電流を計測可能な低い値に変換する必要があります。
電圧を降圧するものが計器用変圧器(VT)、電流を小さく変換するものが変流器(CT)です。これら二つの機能をひとつの箱(モールドケース等)に収納し、計器用の電源としてひとまとめにしたものを計器用変成器(VCT)と呼びます。単線結線図上では、高圧受電設備において電力量計へ入力する信号源として非常に頻繁に登場する必須パーツです。
記号を読み解く思考プロセス
この問題は、アルファベットの略号がどのような役割を指しているのかを分解できるかどうかが鍵です。
- V:Voltage(電圧)を扱う機器
- C:Current(電流)を扱う機器
- T:Transformer(変成器・変圧器)
このように分解すると、VCB(真空遮断器:Vacuum Circuit Breaker)やMCB(配線用遮断器:Molded Case Circuit Breaker)といった他の選択肢と混同することがなくなります。試験では、似たような略号が並ぶため、それぞれのアルファベットが「電圧・電流・遮断機・ケース」などのどの単語に対応しているかを紐づけて記憶することが、ミスを減らす最短ルートです。
実務における位置付け
この知識は、単に試験に合格するためだけのものではありません。実際にキュービクルの図面を読み解く際、あるいは現場で計器の検針や点検を行う際、VCTという記号を見れば「ここには電圧と電流の両方の信号が取り出されている」と即座に判断できます。
特に電力量計(積算電力計)への配線を確認する際、VCTからの二次側出力を追うことで、計器が正しく動作しているかの確認や、メンテナンスの計画を立てることが可能になります。高圧受電設備における計測の要所を特定するための「目印」となるのがVCTであると理解しておきましょう。