令和7年度 上期 第一種 学科試験 (出題例) 問11 解説 絶縁材料の耐熱クラス
電気機器の絶縁材料として耐熱クラスごと に最高連続使用温度[℃]の低いものから高い ものの順に耐熱クラスの指定文字を左から右 に並べたものは。
- H, E, Y
- Y, E, H ✓ 正答
- E, Y, H
- E, H, Y
解説
絶縁材料の耐熱クラスを見分ける判断基準
電気機器の絶縁材料は、連続して使用できる温度の限界によってクラス分けされています。この問題は、アルファベットで表された耐熱クラスと、それぞれの最高連続使用温度を正しく記憶しているかを問うものです。
正解にたどり着くための判断基準は、以下の温度順序を覚えているかどうかの一点に尽きます。
- Yクラス:90℃
- Aクラス:105℃
- Eクラス:120℃
- Bクラス:130℃
- Fクラス:155℃
- Hクラス:180℃
これに基づき、選択肢にあるY、E、Hの順に並べ替えると、90℃、120℃、180℃となり、温度の低い順という条件を満たす「Y, E, H」が正解となります。
温度による階層構造を理解する
電気機器内部で使用される絶縁材料(モータのコイル被覆や絶縁紙など)は、熱にさらされ続けると劣化が進み、絶縁性能を失ってしまいます。そのため、機器の設計にあたっては、その場所の温度に応じた適切な材料を選ぶ必要があります。
耐熱クラスは国際規格などで定められており、アルファベットの順序がそのまま温度の高さを示しているわけではありませんが、実務上は以下の並びをリズムとして暗記するのが定石です。
「ヤ、ア、エ、ブ、フ、ハ(Y, A, E, B, F, H)」
このように語呂合わせなどで定着させることで、試験中に迷うことなく温度の低い順・高い順を判定できるようになります。
電気設計における絶縁の役割と重要性
この知識は、単なる試験対策を超えて、電気設備の保守や選定において非常に重要です。
例えば、モータや変圧器の仕様書を確認すると、必ずといっていいほど「耐熱クラス」の記載があります。もし、ある機器の耐熱クラスがEクラス(120℃)である場合、負荷をかけすぎて温度がこれを超えると、絶縁被覆が熱劣化し、短絡(ショート)事故を引き起こすリスクが高まります。
第一種電気工事士の試験においてこの問題が出題される意図は、現場で取り扱う電気機器のスペックを正しく読み解き、設置場所の環境や負荷状況に対して安全な機器であるかを判断する基礎能力を養うことにあります。温度という目に見えない指標をクラス分けという形式で理解しておくことは、過負荷保護や機器の更新計画を立てる際、技術者としての信頼性を支える重要な判断材料となります。