令和7年度 下期 学科試験 問33 解説 受電設備図の名称
問33から問34までは,下の図に関する問いである。 図は,一般送配電事業者の供給用配電箱(高圧キャビネット)から自家用構内を経由して,地下1階受電室に施設する屋内キュービクル式高圧受電設備(JIS C 4620適合品)に至る電線路及び低圧内幹線設備の一部を表した図である。この図に関する各問いには,4通りの答え(イ,ロ,ハ,ニ)が書いてある。それぞれの問いに対して,答えを1つ選びなさい。 〔注〕図において,問いに直接関係のない部分等は,省略又は簡略化してある。
- イ
- ロ
- ハ
- ニ ✓ 正答
解説
金属製のケーブルラックは、その構造上、接触による感電防止の観点から必ず接地工事が必要です。電気設備技術基準の解釈において、乾燥した場所であっても金属製ケーブルラックの接地を省略できる規定はありません。選択肢ニは、接地を省略できる一般的なケース(対地電圧150V以下の機器など)と混同させようとする典型的なひっかけ問題です。
金属製ケーブル工事における接地のルール
金属製のケーブルラックや電線管などの金属製外箱は、万が一ケーブルの絶縁が被覆の損傷などで破損し、金属部分に漏電した場合に、人体が触れて感電することを防ぐ役割があります。
第一種電気工事士の試験範囲では、金属製のケーブルラックには原則としてD種接地工事を施すことが義務付けられています。特に注意すべきなのは「乾燥した場所であれば省略できる」という特例は存在しないという点です。一方で、例えば「電気機械器具を乾燥した場所に施設する場合」などには接地を省略できる例外規定が存在するため、これらと混同しないよう正確な暗記が必要です。
不正解の選択肢から学ぶ正しい施工基準
試験では、なぜ他の選択肢が正しいのかを理解することも重要です。
イの防火措置について: 建築物の壁や床をケーブルラックが貫通する場合、火災発生時に火炎や煙が別の区画へ延焼することを防ぐため、不燃材料での埋め戻しや防火パテの使用など、適切な防火措置を講じる必要があります。
ロのセパレータについて: 電灯幹線と動力幹線を同じラックに収容する場合、電圧やノイズの影響を避けるため、あるいは保守点検の利便性を考慮してセパレータ(仕切り板)を設けるのが基本です。ただし、動力・電灯の混触を防ぐ目的であれば、ケーブルの種類や離隔距離が適切に確保されていれば許容される場合もありますが、実務上の安全基準としてセパレータ設置が推奨されます。
ハの支持構造について: ケーブルラックは非常に重量があるため、天井スラブからアンカーボルトで吊り下げる際は、架台の強度計算を行った上で、地震等の揺れにも耐えられる堅固な固定が求められます。
実務における安全の重要性
この問題が問うているのは、単なる知識の暗記以上に「電気設備の保安」に対する意識です。ケーブルラックは建物の広範囲に張り巡らされるため、一つの施工ミスが施設全体の安全性を低下させます。特に接地の欠落は、漏電時に金属ラック全体が帯電するリスクをはらんでおり、点検や清掃を行う作業員にとって命に関わる事態を招きかねません。
試験対策としては「金属製ケーブルラック=必ず接地」とセットで覚え、乾燥した場所であっても例外ではないという点を強調して記憶に留めてください。