第一種電気工事士試験 / 令和7年度 下期 学科試験 / 問10
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令和7年度 下期 学科試験 問10 解説 誘導電動機の回転数

定格出力 22 kW, 極数 4 の三相誘導電動機が 電源周波数 60 Hz, 滑り 5 %で運転されている。 このときの 1 分間当たりの回転数は。

  1. イ. 1620
  2. ロ. 1710 ✓ 正答
  3. ハ. 1800
  4. ニ. 1890

解説

この問題は、三相誘導電動機の同期速度を求め、そこから「すべり」を考慮して実際の回転数を導き出すという、試験において極めて頻出のパターンです。以下の2ステップで計算します。

  1. 同期速度 Ns=120fPN_s = \frac{120f}{P} を求める。
  2. 回転数 N=Ns(1s)N = N_s(1 - s) を求める。

誘導電動機の回転原理と同期速度

三相誘導電動機は、固定子(ステータ)に流れる三相交流によって回転磁界が発生し、その磁界を追いかけるように回転子が回る仕組みです。この回転磁界の速度が「同期速度」と呼ばれます。

同期速度は電源周波数 ff [Hz] と極数 PP によって決まり、以下の式で表されます。 Ns=120fPN_s = \frac{120f}{P} [rpm]

今回の問題では、周波数 f=60f = 60 [Hz]、極数 P=4P = 4 ですので、 Ns=120×604=1800N_s = \frac{120 \times 60}{4} = 1800 [rpm] となります。これは回転子が磁界と全く同じ速度で回った場合の理想的な回転数です。

すべりが生む回転数差

誘導電動機では、回転子の回転数 NN が同期速度 NsN_s よりわずかに遅れることで、回転子導体に電流が流れ、トルクが発生します。この速度差の割合を「すべり ss」と呼びます。

すべり ss を用いた回転数の式は以下の通りです。 N=Ns(1s)N = N_s(1 - s)

問題文から滑り s=5%s = 5 \% つまり 0.050.05 ですので、先ほど求めた同期速度を代入します。 N=1800×(10.05)=1800×0.95=1710N = 1800 \times (1 - 0.05) = 1800 \times 0.95 = 1710 [rpm]

これが、負荷がかかっている状態での実際の回転数となります。

試験問題の意図と現場での捉え方

この問題は、誘導電動機という機械が「なぜ同期速度で回らないのか」という物理的な本質を問うています。もしすべりが 0 であれば回転子には電流が誘導されず、トルクがゼロになってしまうため、電動機として成立しません。したがって、実運転において N<NsN < N_s となることは、モーターの原理上必然です。

現場の視点で見ると、インバータ制御や電動機の選定を行う際、定格回転数を知ることは重要です。例えば、ベルト駆動やギヤ接続を行う場合、モーターの回転数がこのすべりによってわずかに低くなることを前提にプーリー比や減速比を決定する必要があります。試験問題としての計算は単なる数値代入に見えますが、電動機の基本特性を理解しているかを問う、実務に直結した設問といえます。

参考リンク

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