令和6年度 上期 第一種 学科試験 問26 解説 電気工事用車両
写真に示す電気工事に使用する車両の用途は。
- イ. 高所での作業時に使用する。
- ロ. 電柱の穴掘建柱作業に使用する。 ✓ 正答
- ハ. 重量物運搬に使用する。
- ニ. 地中埋設管設置のための掘削に使用する。
解説
この問題は、写真に写っている車両の最大の特徴である、車体上部に備え付けられた「らせん状のドリル(オーガー)」を見つけることで即座に正解を導くことができます。このドリルが示す用途は、地面に穴を掘り、電柱を建てることに特化した機械であるため、選択肢ロが正解となります。
アースオーガーという特殊車両
写真の車両は、一般的に「穴掘建柱車」あるいは「アースオーガー車」と呼ばれます。電気工事において架空配電線を支える電柱を設置する際、人力で深さ数メートルにもなる垂直な穴を掘るのは非常に困難です。
この車両は、クレーンに油圧駆動のドリルを搭載することで、短時間で精度の高い垂直な穴を掘削し、さらにそのクレーン機能を用いて、掘った穴にそのまま電柱を吊り上げて建て込むことができます。「掘る」作業と「建てる」作業を1台で完結できるのが、この車両の最大の強みです。
ほかの選択肢との見分け方
試験においては、電気工事で使用する特殊車両の外観を正しく結びつける力が問われます。それぞれの用途と外観の特徴を整理しておきましょう。
高所作業車は、先端に人が乗るためのバスケット(作業台)が装備されています。一方で今回の問題車両にはバスケットがなく、代わりに掘削用のスクリューが目立っています。また、重量物運搬は主にクレーン付きトラックが担いますが、建柱車のような大型ドリルは装備されていません。地中埋設管の掘削には、油圧ショベル(パワーショベル)のようなバケット(土をすくう部分)を持つ重機が適しています。
このように、装備されている「アタッチメント」の形状に注目することで、その機械が何をするためのものかを論理的に判断できます。
現場における特殊車両の役割
第一種電気工事士の試験にこの問題が出るのは、工事現場全体の運営と安全管理を理解させる意図があります。電柱の設置工事は、掘削時の地中埋設物への接触防止や、作業半径内への立ち入り禁止など、重機特有の災害リスクを伴う作業です。
現場の責任者や監理技術者となる可能性のある第一種電気工事士にとって、どの作業にどの車両を配備し、どのような手順で作業を行うべきかを知っておくことは、単なる知識の暗記を超えた「現場の安全を守るための必須教養」です。実際の現場では、狭い道路や電線が張り巡らされた場所でこれらの重機を操作するため、外観と用途を正しく理解し、適切な選定を行う能力が求められます。