令和5年度 学科試験 問28 解説 合成樹脂管工事
合成樹脂管工事に使用できない絶縁電線の種類は。
- イ. 600V ビニル絶縁電線
- ロ. 600V 二種ビニル絶縁電線
- ハ. 600V 耐燃性ポリエチレン絶縁電線
- ニ. 屋外用ビニル絶縁電線 ✓ 正答
解説
合成樹脂管工事における電線の選定は、絶縁被覆の性質が重要な判断基準となります。この問題は「屋外専用の電線」が屋内等の管内配線に使えないという、電線の用途に関する基本ルールを問うものです。
屋外用ビニル絶縁電線(OW)が使えない理由
合成樹脂管工事では、原則として絶縁電線またはケーブルを使用しますが、その中でも「屋外用ビニル絶縁電線(OW)」は例外として明示的に禁止されています。
OWは、架空配線や屋外の電柱間に張ることを目的として製造されています。そのため、絶縁体は耐候性に特化している一方、燃焼性や柔軟性などの屋内配線に必要な要件を考慮して設計されていません。特に、管内という閉鎖空間に設置すると、万が一の電気火災時に延焼を助長したり、皮膜の特性上、配線作業に支障をきたす可能性があります。
選択肢の電線の位置付け
合成樹脂管工事で選定可能な電線と比較することで、OWの特殊性が浮き彫りになります。
・600V ビニル絶縁電線(IV) ・600V 二種ビニル絶縁電線(HIV) ・600V 耐燃性ポリエチレン絶縁電線(EM-IE)
これらはすべて屋内配線用に設計されており、絶縁被覆の耐熱性や難燃性が確保されています。特に近年の配線工事では、火災時の安全性向上という観点から、燃焼時に有害なガスが発生しにくい耐燃性ポリエチレン絶縁電線(エコ電線)の使用が推奨されています。一方で、OWはこれら屋内用電線とは設計思想が全く異なる「屋外専用」の材料であることを押さえておきましょう。
試験における判断の考え方
本問のような「使用できる・できない」を問う問題は、消去法ではなく「不適合な例外」を瞬時に見抜くことがコツです。
- 選択肢を眺めたとき、「屋外用」という単語が含まれる電線を探す。
- その電線がどのような環境で使うものかを連想する(電柱から引き込む線、外壁を這う線)。
- 管内配線という「屋内や隠蔽場所」の環境と比較し、相容れない性質を持つものを選ぶ。
試験において、電線の種類はその用途とセットで記憶するのが定石です。「絶縁電線は管内に通せるが、屋外用のOWだけは別格」というイメージを持ってください。この知識は、現場で実際に電線を選定する際、誤ってOWを使用してしまい施工不良となるミスを防ぐための、非常に実践的な境界線となる知識です。