令和4年度 第一種電気工事士 筆記試験 問26 解説 工具の名称
写真に示す工具の名称は。
- イ. トルクレンチ
- ロ. 呼び線挿入器
- ハ. ケーブルジャッキ
- ニ. 張線器 ✓ 正答
解説
この問題は、写真の工具が持つ「強い張力をかけるための機構」と「電線をつかむための部品」という特徴から、架空配線工事用の張線器であると判断します。
工具の識別ポイント
この工具は、レバーを上下させることでドラムを回転させ、ワイヤーやベルトを巻き取る仕組みを持っています。写真の左端に見える、電線を挟み込んで引っ張るための部品はカムラー(またはクリップ)と呼ばれ、張線器とセットで使用されます。
試験対策としては、以下の工具の特徴を視覚的に結びつけて記憶するのが効率的です。
- 張線器: レバーとラチェット機構により、人力で電線に大きな張力を与える。
- 呼び線挿入器: コンジットチューブ(配管)内に電線を通すための、樹脂製またはスチール製の細長いバネ状の道具。
- ケーブルジャッキ: 電線ドラムを浮かせて回転させるための、二脚または三脚の台座。
- トルクレンチ: ボルトやナットを一定の力で締め付けるための、トルク設定機能付きレンチ。
架空配線における役割
張線器は、電柱と電柱の間に電線を架設する際、電線のたるみを適切に調整(弛度調整)するために不可欠な道具です。電線はそのまま張ると自重で垂れ下がってしまうため、張線器を用いて規定の張力をかけることで、電線が一定の高さと弛度を保てるようにします。
現場では、この張線器(レバーホイストの一種)を電柱の支持物や他の電線に固定し、反対側のカムラーで電線を掴んで引っ張ります。この操作には、電気設備の保安規程や荷重に対する正しい知識が求められます。
実務への繋がり
第一種電気工事士試験でこの問題が出題される意図は、試験対象範囲である自家用電気工作物の工事現場において、架空配線工事の基本的な安全手順と道具の使い方を理解しているかを問うためです。
例えば、電線の張力が不十分であれば短絡事故や接触事故の原因となり、逆に過度な張力は電線や支持物の破損を招きます。また、作業者の安全を確保するためには、このような機械的な道具を正しく操作し、荷重が加わっている状態での危険性を認識しておく必要があります。写真だけで即座に名称が浮かぶようにしておくことは、現場での安全意識と技術の第一歩といえます。