第一種電気工事士試験 / 令和4年度 第一種電気工事士 筆記試験 / 問11
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令和4年度 第一種電気工事士 筆記試験 問11 解説 V結線変圧器利用率

同容量の単相変圧器2台をV結線し,三相 負荷に電力を供給する場合の変圧器1台当たり の最大の利用率は。

  1. イ. 1/2
  2. ロ. √2/2
  3. ハ. √3/2 ✓ 正答
  4. ニ. 2/√3

解説

この問題の正解は、変圧器の利用率を表す公式を覚えていればすぐに導き出せます。V結線における変圧器1台あたりの利用率は、常に 320.866\frac{\sqrt{3}}{2} \approx 0.866 であると暗記しておきましょう。

V結線と利用率の関係

単相変圧器を3台使ったデルタ結線であれば、変圧器の合計容量に対して100パーセントの出力を得ることができます。しかし、V結線は2台の変圧器で三相電力を供給する手法であるため、設備としての効率はデルタ結線に劣ります。

具体的には、3台の変圧器が必要なデルタ結線に対して、V結線は2台で済むものの、供給できる電力はデルタ結線の 13\frac{1}{\sqrt{3}} 倍(約57.7パーセント)にまで減少します。このとき、変圧器1台あたりに着目すると、その利用率は 32\frac{\sqrt{3}}{2} 、つまり約86.6パーセントとなります。

なぜこの数値になるのか

変圧器の利用率とは、変圧器の定格容量に対して、実際に供給している負荷がどの程度の割合を占めているかを示す指標です。

デルタ結線の場合、変圧器1台あたりの定格容量を PP とすると、合計容量は 3P3P となります。一方、V結線の合計容量は 3P\sqrt{3}P です。 もし同じ 3P3P の負荷をV結線で供給しようとすると、変圧器2台でまかなう必要があるため、定格容量に対して過大な負荷がかかってしまいます。そのため、V結線で安全に供給できる最大容量は 3P\sqrt{3}P となり、これに用いる2台の変圧器(合計容量 2P2P)で割ることで、利用率 3P2P=32\frac{\sqrt{3}P}{2P} = \frac{\sqrt{3}}{2} が導かれます。

実務におけるV結線の位置づけ

V結線は、デルタ結線で使用していた変圧器の1台が故障した際の応急処置として用いられることが多々あります。または、当初の負荷が小さい段階で変圧器を2台設置しておき、将来的に負荷が増えた際に3台目(デルタ結線)を追加するという段階的な設備投資においても有効です。

第一種電気工事士の試験においてこの知識が問われるのは、変圧器の容量選定や、非常時のバックアップ機能としての性質を正しく理解しているかを確認するためです。現場では変圧器の利用率を理解しておくことで、過負荷による焼損を防ぎ、設備の経済的な運用計画を立てることが可能になります。

参考リンク

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