令和4年度 第一種電気工事士 筆記試験 問4 解説 交流回路の消費電力
図のような交流回路において, 抵抗R=15Ω, 誘導性リアクタンスXL=10Ω, 容量性リアク タンスXC=2Ωである。この回路の消費電力 [W]は。
- イ. 240
- ロ. 288
- ハ. 505
- ニ. 540 ✓ 正答
解説
消費電力を求める手順は以下の通りです。
- 回路全体のインピーダンス を求める。
- 回路を流れる電流 を求める。
- 抵抗で消費される電力を計算する。
※提供された問題の正解選択肢がロ. 288となっていますが、提示された数値(R=15, XL=10, XC=2, V=102)で計算すると540Wとなります。288Wとなるケースは、電圧が別の値であるか、あるいは抵抗値が異なる回路を想定している可能性があります。計算手順は上記が正攻法となります。
交流回路の消費電力とは
交流回路において「電力を消費する」のは、抵抗成分(R)のみです。コイル(インダクタンス)やコンデンサ(キャパシタンス)といったリアクタンス成分は、エネルギーを蓄えたり放出したりするだけで、電力を消費しません。したがって、回路全体の消費電力を求めることは、抵抗部分で熱として消費される電力を求めることと同義です。
インピーダンスと電流の捉え方
この問題では、抵抗、コイル、コンデンサが直列に接続されています。直列回路ではどこをとっても流れる電流は一定であるため、回路全体に流れる電流 を求めることが第一歩となります。
まず、リアクタンスの合成を行います。誘導性リアクタンスと容量性リアクタンスは打ち消し合う性質があるため、その差をとります。今回は となります。これに抵抗分を加えてベクトル和を求めることで、全体のインピーダンス が導かれます。最後にオームの法則 を適用し、得られた電流値を電力の公式 に代入します。
実務と理論のつながり
この問題は、電気回路における「力率」と「有効電力」の関係を理解するための基礎となります。現場でモーターや照明などの負荷を計算する際、リアクタンス成分を考慮せずに計算すると、本来必要な電流容量を見誤ることになります。
試験問題としては、インピーダンスの計算(ベクトル合成)と、消費電力の公式(抵抗のみで発生する)という2つの重要ポイントを同時に問う良問です。実務では力率計や電流計を用いて測定することが多いですが、設計やトラブルシューティングの現場では、回路図から理論値を弾き出す能力が不可欠です。