令和4年度 第一種 筆記試験 午後 問47 解説 接地工事の保護管
②の部分の接地工事に使用する保護管 で、適切なものは。 ただし、接地線に人が触れるおそれが あるものとする。
- イ. 薄鋼電線管
- ロ. 厚鋼電線管
- ハ. 合成樹脂製可とう電線管(CD管)
- ニ. 硬質ポリ塩化ビニル電線管 ✓ 正答
解説
接地線保護の考え方
接地線を人が触れるおそれがある場所に施設する場合、電気設備技術基準の解釈に基づき、外部からの衝撃や損傷を防ぐために「堅牢な管」に収める必要があります。このとき、金属管や硬質ポリ塩化ビニル管が適しており、薄鋼電線管やCD管のような特定の条件を伴うものは選択肢から除外されます。
なぜ硬質ポリ塩化ビニル管が最適なのか
接地線は、漏電時に電流を大地へ逃がすという、安全を守るための非常に重要な経路です。もし接地線が切断されたり損傷したりしていれば、事故時に機器の筐体が充電されたままとなり、感電事故につながります。
そのため、人が触れられる環境では、線自体を強固な材料で保護することが求められます。 硬質ポリ塩化ビニル管は、耐衝撃性に優れ、腐食の心配もなく、施工も比較的容易であるため、接地線の保護管として最も標準的かつ推奨される材料の一つです。
一方、選択肢にあるCD管は、コンクリート埋設専用の管です。非常に柔らかく、自己消火性がないため露出箇所には使用できません。また、金属製の薄鋼電線管は金属としての強度はありますが、接地線を金属管に収める場合は、誘導電流によるインピーダンスの上昇や、施工条件(防食措置など)の考慮が必要になるため、単純な保護目的としては、より扱いやすい硬質ポリ塩化ビニル管が優先的に選ばれます。
試験問題が意図する現場の実務
この問題は、単に管の種類を暗記するだけでなく、どのような場所が「物理的な保護を必要とする場所か」という感覚を問うています。
接地工事の現場では、以下の3つの観点で保護管が選定されます。
- 機械的強度:人がぶつかったり、荷物が当たったりしても線が傷つかないか。
- 腐食耐性:接地線が錆びたり、管自体が腐食して壊れたりしないか。
- 施工性:現場の環境(露出場所か、埋設か)に適合しているか。
実務においては、地面から立ち上がる接地線が、人が通行する廊下や作業場にある場合、必ずといっていいほど硬質ポリ塩化ビニル管などで保護を施します。これは「誰がいつ触れても安全であること」を保証するための設計上の基本原則です。試験においても、この「安全性」という視点を持つことで、迷った際の判断基準が明確になります。